ラベル

米国株 (341) バリュー投資 (288) ファンダメンタルズ投資 (268) 成長株投資 (229) 中国株 (212) インドネシア株 (207) 高配当投資 (167) 資本家 (152) 財務諸表を読もう (151) 不労所得を得る (146) アルゼンチン株式 (131) 個別銘柄分析 (131) マレーシア株 (127) バブル・暴落 (125) 労働者 (123) 配当を得る (116) テクニカル投資 (115) 組入銘柄 (99) 会計 (96) 書籍 (95) 経営 (91) 節約術 (87) 積立投資 (74) 街角経済 (71) 定点観測 (69) ロシア株 (65) 家計簿 (48) 寄付 (24) ローン返済 (23) セクターと業種 (22) MELI (16) 名古屋 (16) グランパス (15) SHAK (14) インド株 (13) MO (12) V (12) ISRG (11) PNRA (10) DIS (9) NISA (9) NTES (9) アメーバ経営 (8) ABT (7) PG (7) 0867.HK(康哲薬業) (6) AEO (5) JNJ (5) LLY (5) MMM (5) SPY (5) WMT (5) アセットアロケーション (5) 稲盛和夫 (5) 1066.HK(山東威高集団医用高分子製品) (4) 2202.HK(万科企業) (4) 2328.HK(中国人民財産保険) (3) 6888.KL(AXIATA) (3) GSK (3) UNH (3) UNVR.JK (3) カルガモ親子投資法 (3) 出版 (3) 0388.HK(香港交易所) (2) 0857.HK(中国石油天然気) (2) 0991.HK(大唐国際発電) (2) 2628.HK(中国人寿保険) (2) 2883.HK(中海油田服務) (2) 900923.SS(上海百聯集団) (2) BBRI.JK (2) BRK-B (2) FTNT (2) INDF.JK (2) KLBF.JK (2) MCO (2) VOO (2) 0525.HK(広深鉄路) (1) 0576.HK(浙江高速道路) (1) 0837.HK(譚木匠) (1) 0956.HK(新天緑色能源) (1) 1398.HK(中国工商銀行) (1) 2039.HK(中国国際コンテナ) (1) 8664.KL(SP SETIA) (1) AXP (1) MA (1) MANU (1) TLKM.JK (1) TSLA (1)

2014年8月31日日曜日

Datang International Power Generation Co., Ltd. (0991.HK) 配当が出ました --中国の電力会社を見ながら、日本の電力事情を考えました。2万円も電気代が増加?

Datang International Power Generation Co., Ltd. (0991.HK)の2013年本決算の配当が出ました。
この会社は、北京にある大手電力会社で、簡単に言うと中国の東京電力といったところです。ディフェンシブ銘柄ですね。まぁ、東電はすでにディフェンスを突破された感はありますが。(TдT)

中国の大手電力会社と「発送電分離」

中国の大手電力会社は以下の5社になります。
カッコが香港で取引できる子会社。
各子会社の、売上高、増収率(%)、純利益、増益(%)、EPS、現金配当(1株当たり)、分割は以下の通り。
  • 中国華能集団公司(華能国際電力)
12.12   133,967 0.4   5,512  367.0 0.39  0.21 --
13.12   133,833 ▲0.1 10,426  89.1  0.74  0.38 --
14.12(予) 134,746 0.7   11,405  9.4   0.81   -- --
15.12(予) 140,714 4.4   11,617  1.9   0.84   -- --
  • 中国大唐集団公司(大唐国際発電) ←この会社
12.12   77,598  7.2   4,019  103.9   0.30  0.1 --
13.12   75,227  ▲3.1  3,529  ▲12.2  0.27  0.12 --
14.12(予) 79,227  5.3   4,360  23.6   0.33   -- --
15.12(予) 86,226  8.8   5,072  16.3   0.38   -- --
  • 中国華電集団公司(華電国際電力)
12.12    59,080   9.0   1,447  1860.1  0.21  0.065 --
13.12    66,049   11.8  4,097  183.2   0.56  0.225 --
14.12(予)  68,444   3.6   4,404  7.5    0.55   -- --
15.12(予)  72,824   6.4   4,552  3.4    0.56   -- --
  • 中国国電集団公司
  • 中国電力投資集団公司
当会社は、2番めの規模で、1番の華能国際電力の約半分の売上となっています。
2013年度は、売上、利益共に下げていますが、2014年度予想では戻る見込みです。

なお、中国ではすでに発送電分離がなされており、上記の5社は純粋な電力供給会社です。これ以外に送電専門の会社があります。

  • 国家電網公司
  • 中国南方電網公司

ちなみに、日本では、2018年~2020年を目処に発送電分離を目指しています。
この予定の前の2016年には「電力小売の自由化」が予定されていますので、その時には利用者側は発電会社を選ぶことができるようになります。これにより競争が促され、電気代が安くなることが予想されます。電力自由化がされていない現在では、利用者は地域電力網を持つ電力会社(東電など)に固定されて電気を買わざるをえない状態なので、地域独占となっており効率が悪い状況です。
発送電分離は、自由化により競争が実現した後、さらに発電と送電を会社を分けて会計を分けることにより、各部門の効率化を図ろうとするものです。
この規制緩和は電力事業の歴史では強烈な施策なので、実現するとよいですね。


エネルギー価格推移

エネルギー価格の上昇に伴い、中国の電力会社全般が利益を圧迫され株価が押さえられています。
なお、石炭価格の推移は下記の通り、2005年頃から急激に高くなっており、この余波を受けている状態ですね。確かジム・ロジャースも商品・コモディティの時代が来ると言っていましたが、彼の予言(もしくはあとづけ)がどうであれ、世界情勢的にはエネルギー価格は全般に上昇しています。
余談ですが、日本においては、タイミング悪く東日本大震災で原発を止めざるを得ない状況になっていますので、高止まりしている通常価格のさらに何倍もの価格でエネルギーを購入しているのが実情です。下記のLNG価格は日本、アメリカ、ヨーロッパ別のグラフになっていますので、よく分かりますね。いかに日本が法外な値段で買わされているか。

石炭価格の推移(1980~2014年) 出典:世界のネタ帳

天然ガス価格の推移(1980~2014年) 出典:世界のネタ帳

ちなみに、日本の電気料金の推移は、こちら(エネチェンジ)。まだ、微妙に家計では気づかいない上昇ですので、今後は気にしてみてください。年間2万円も電気代が上がっているようです。

エネチェンジ;近年の家庭の電気代の推移をみると、年間2万円以上も高くなっていた!

投資効果

さてさて、話は戻りまして、この株式の投資効果についてです。
各指標ですが、
ROE 8.2 %
ROA 1.2 %
PER 12.62 倍
PBR 1.03 倍
配当性向 44.4 %
配当利回り 3.52 %
総資産回転率 0.3 回
株主資本回転率 1.8 回

私は中国株投資を始めた頃からの付き合いでして、10年以上保有しています。ただ、上記の理由で、株価は低迷していまして現状で50~70%の上昇に留まっています。10年持ってこれでは結構泣ける成長率です。
強いて言うなら、配当が平均的に年4%程でしたので、4%×10年で40%分が配当で貰えたとすると、株価の上昇と合わせて2倍弱というところです。
頑張って保有しているのですが、それほどいいパフォーマンスではありませんね。投資をしていると、まあ、こういう会社もある訳です。(-_-メ)



2014年8月30日土曜日

2013年の配当収入のまとめ --不労所得を得るメリットと配当を中心とした投資の是非について

2013年の配当が出揃いました。
個別銘柄の配当についてはまだ全て紹介できていないのですが、出揃ったのでここでまとめをしておきたいと思います。

まず、配当スケジュールですが、私が投資をしている中国株、米国株、インドネシア株、マレーシア株では様相がずいぶん違います。
特徴的なのは米国株で、さすが投資先進国ですね。著名な会社は四半期毎に配当を出します。ですので、この時期ですと第2Qまでの配当が届いています。3ヶ月に1度配当が振り込まれてくるとかなり幸せ感があるのですが、中の人は大変でしょうね。
中国株は大体の会社が12月31日が決算日ですが、本決算はかなり遅れます。一方、一部の中間決算を出す企業はだいたい来月くらいから配当振込をしてきます。
インドネシア、マレーシアは年2回の配当です。

次に配当収入額ですが、自分が統計をとっている2003年からの毎年の配当額のグラフが以下になります。
今のところ順調に伸びているグラフとなっています。2003年からの2013年までの11年間での単純な配当額の伸びは年率22%くらいの複利利率。また、リーマン・ショックで一度下げた2008年からの配当の伸び率(同じく複利)は18.05%となっています。
ただ、途中には増資や減資もしています(銘柄を買ったり売ったりして入れ替えている)ので、一概にこの複利利率ではないのですが、私は投資法としてそんなに売買をしないので数字が大きく違うことはないでしょう。
もし、18%で配当が伸びていくとすると、「72のルール」を考えると4年ほどで倍になる複利計算ですので、非常にいいかんじだと思います。また、配当伸び率が企業の成長と連動していると仮定し(つまり企業の配当性向が変わらないと仮定し)、企業のEPS(一株利益)の伸びが同等と仮定すると株式資産の伸びも同じように来ていると考えることができます。実際は、私のポートフォリオは、2003年からの11年間で3倍強になっていますので、配当伸び率が良い企業を買っていくのは良い戦略でしょう。


次に下の図ですが、下の図は配当利回りのグラフになります。

配当利回りの計算ですが、我が家は、「家計簿のすすめ1 お家の資産を計算してみよう 準備編 --家計の貸借対照表(BS)に馴染む;家計の「ストック」」でお伝えしましたが、決算日が12月31日ですので、12月31日時点の総株式資産の時価に対して、配当額合計がいくらになったかの比率を取っています。

配当利回りの方はここのところ、1.5%前後から2.5%前後となっています。
配当利回りが増減する要因ですが、一般的に、
  1. 不景気なので、会社が配当額および配当性向を下げた(分子が↓) ⇒ 配当利回り↓
  2. もしくは、景気が良いので、先行きの見通しが良くなり増配したおよび配当性向を上げた(分子が↑) ⇒ 配当利回り↑
  3. 世界の資金が入ってきたので、市場が加熱し株価が相対的に上がった(分母が↑) ⇒ 配当利回り↓
  4. 市場が落ち着き、適正な株価になった(分母が↓) ⇒ 配当利回り↑
などがあります。
配当利回りはPERなどとともに株価の割安指標とされていますので、市場全体の配当利回りの推移を見ていくのも良いかと思います(面倒くさいけど)。配当利回りが上がっているときは、4の要因で市場や会社が放置され割安になっている可能性がありますので、その際は投資をするチャンスでもあります。



最後に、これまでの投資における配当収入という切り口から今後の投資法を考えると、私のように少しずつ「自分年金」銘柄を増やそうとしていく場合は、どのような投資がよいでしょうか?
現在、私は、①配当利回りの良い高配当銘柄を一定量揃える、併せて②成長する安定企業を揃える、さらに③爆発的に成長する小型企業を揃えて10倍株(テンバガー)を狙う、の3つの投資先を混ぜているのですが、これらのバランスが非常に重要になってきます。
しかも、この間には大暴落も多々くるでしょうから、4番めとして、④現金の量をコントロールする、のも重要な要素です。
リスクを抑えながらバランスよく銘柄を揃えていくことが大事でしょう。

ちなみに、このようなバランス感覚を要する投資は、単純な機械的な定量化の投資法では無理だと思います。このあと、先日読了したKAPPAさんの「超・株式投資」の書評でも書こうと思いますが、単純な割安株、小型株投資などでは、市場が効率的なためなかなか優位性が出ないという結果が再確認されています。KAPPAさん曰く、アクティブ運用をするくらいならETFを買っておけ(パッシブ運用)という結果になっています。

この重要な結果を踏まえながら、自分を過信せず、謙虚に投資を進めていく必要がありますね。

2014年8月29日金曜日

Abbott Laboratories (ABT) 配当が出ました --40年連続で増配する米国の偉大な医薬品企業

Abbott Laboratories (ABT)の、2014年第2四半期の配当が出ました。

この会社は首題の通り、40年に亘って増配を続ける超優良企業です。HIVの検査薬(世界初)、治療薬で有名な会社です。
ここ数年の私の投資戦略の変更に伴って、改めて購入したジャンルの銘柄です。

この戦略では、米国株で安定的に配当を出し続けている会社がターゲットになりますので、どうしても日用生活品や医療の会社が多くなってしまいます。

ここ1年で組み入れた「自分年金」銘柄うちでも、医療分野は、
となっており(リンク先は、このブログでの紹介および分析です)、かなりの数が医療系になっています。

また、組み入れ候補だったものにも、
  • アムジェン
  • インテュイティヴ・サージカル
  • ファイザー
なども挙げていたのでちょっと偏っていますね。


これらの銘柄に対する戦術は極めて簡単で、おそらく死ぬまで保有していますので、暴落があった時に少しずつ買い増していくということになります。非常に簡単で退屈な投資なのですが、まあ、そういう投資対象があってもよいでしょう。

配当利回りは、現時点で2.10%です。
利益は、粗利がここ3期では横ばいですが、長い目では地道に成長しているので、安心して投資できる会社だと思います。
会社の売上規模感は、↓下記の表を参考にして下さい。







2014年8月28日木曜日

白元倒産の経緯 --倒産に至るまでの3つのポイント、無理な事業はどこから歯車が狂うのだろう?

少し古い話ですが、「白元」が5月29日に民事再生法の適用申請を行いました。

今回の倒産の過程において何が起きていたのかを見てみます。
時系列の経緯もありますが、白元を取り囲む環境としては、以下の様な状況であったようです。
  1. 業界No.1への軌跡と強み
  2. マーケットの状況
  3. 競合の状況
  4. 過大な事業拡大
  5. 「政策販売」が生むリスク
  6. 信用不安
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以上を、SWOTで分類してみると、

S(強み)
 1.のように業界ナンバーワンを維持しており、ミセスロイド、ホッカイロ、アイスノンなののロングセラーブランドも擁していました。また、「本業一筋」という企業理念も老舗が生き残る重要な理念であったようです。また、活性炭の内製化なので自社ノウハウや特殊機械を持っており、安定して低コストを実現できていたようです。

W(弱み)
 一方で、3代目からは4.のように無理な事業拡大を行ってしまい、転落の口火を切ってしまっています。

O(機会)
 2.のように、「デイリーケア・ケミカル業界(というらしい)」ではマーケットは安定していましたが、無理のある事業機会を採ってしまい、殺虫剤事業、衛生用品事業、入浴事業などに参入してしまいます。

T(脅威)
 3.はデフレによる事業環境が悪化したことにより、卸業者、小売業者の発言力が高まり、5.の無理な「政策販売」のよりリベート販売を増やしていってしまったようです。
このような悪循環は早めに気づくべきでした。

このような中で、倒産に至ったポイントは次の3つのようです。
  1. 不相応な事業拡大
  2. 「政策販売」を敢えて拡大してしまった経営判断
  3. 信用不安
2014年度末,、そしてその前期の結果を数字で見て行きましょう。
BSでは、負債は255億円で、純資産がマイナスになり18.6億円の債務超過でした。

PLでは、
売上高 223億円、
売上原価 150億円、
 売上総利益 73億円
 返品調整引き相手金差し引きでの売上総利益は 54億円
販管費 135億円
 営業利益 ▲81億円
 経常利益 ▲86億円
 当期利益 ▲62億円

前期の数字は、
売上高 305億円、
売上原価 174億円、
 売上総利益 131億円
 返品調整引き相手金差し引きでの売上総利益は 130億円
販管費 122億円
 営業利益 8億円
 経常利益 3億円
 当期利益 ▲3億円

売上高が、27%減で1/4強減っている中で、売上原価は14%しか減らせていません。販管費も増えてしまっています。
さらに、売上原価の内、「政策販売」に伴う「返品額」を調整しますと、前期が引当金が▲0.5億円から▲19.1億円と圧倒的に増加しています。

このようにマーケットが縮んで、さらに外部要因の競合や、マイケル・E・ポーターのファイブフォースにあたる「買い手の交渉力」が相対的に上がって行く時はかなり難しい舵取りが要求されます。
上記のように売上総利益が激減している状況はもう少し早めに気づいて、手を打つべきだったと思います。
特に今後の日本のマーケットは劇的に増加する事業はそれほど多くないと思いますので、拡大戦略は要注意です。日々財務状況を注視し、事業の歯車のきしみは早めに気づかないといけないですね。
投資先もしかりです。


倒産・動向記事
2014/05/29(木) 「ミセスロイド」で知られる防虫剤等のメーカー株式会社白元民事再生法の適用を申請 負債227億8100万円
http://www.tdb.co.jp/tosan/syosai/3922.html
帝国データバンク

ワタクシゴトですが、2018年5月に本を出版しました。
株は「ゲリラ豪雨」で買い、「平均気温」で儲ける!
amzn.to/2G1VtGw 
ビジネス社さんより出していただきました。



関連記事:

2014年8月24日日曜日

名古屋グランパスを経営して看る1 --大胆にもマンチェスター・ユナイテッド (MANU)と比べてみました



Jリーグの決算書のまとめがネットでは手に入りますので、小一時間かけてEXCELに纏めてみました。
と言うことで、7,8シーズンほどの情報がJ1、J2(最後の方はJFLも2チーム)とありますので、これを元に名古屋グランパスの経営状況をみていこうと思います。
しかしながら、私の能力の問題もありますので(笑)、それほど面白い結果にならなかった時はすいません。

さて、まずはJリーグ間の比較ではなくて、NYSEに上場しているマンチェスター・ユナイテッドと比べてみましょう。マンチェスター・ユナイテッドはYahooFinanceから可能な限り財務諸表の情報を載せています。



数字ですが、名古屋グランパスが2012年度決算、マンUが2013年6月期決算となっています。
為替は、ドル円の為替レートを直近の103.925円として、日本円に換算して、百万円表示しています。

では、まずは規模感ですが、売上高は名古屋グランパスが42億円に対して、マンUは572億円と10倍ほどの規模の差があります。で、まあこれ以上言うことがないので、次に行きましょうかね(笑)。
強いて言うなら、これほど会社の規模感が違うと当然戦略も違いますのでね。単純に比較するのも如何なものかと。

次に、普通に収益性、効率性、安全性を取ってみましたが、まあ名古屋グランパスはこの時、2期連続赤字継続中なのと、マンUもモイモイ効果でチャンピオンズリーグに出られないので今後の収益が不透明です。
収益性はまあよしとしましょう。

効率性も今回のデータから拾えるのが固定資産回転率くらいしかなかったのですが、サッカーチームで固定資産というのもよく分からないので、これもよしとしましょう。
名古屋グランパスの固定資産2億5千万円ってなんなんだろう。クラブハウスですかね。一方、マンUは1505億と1000倍近い規模感の差異。ヨーロッパのクラブはスタジアムやなにやら自分の資産なんでしょうか?

最後に安全性ですが、これは意外でした。名古屋グランパスは意外とこの時点でキャッシュ持ちです。選手獲得資金の4.5億円ですかね?マンUは流動比率が低すぎ。これが正しいデータとするとかなり危ないです(笑)。
自己資本比率も名古屋のほうがやや良く、50%超えはまあまあです。サッカーチームはそれほど他人資本(つまり銀行借入など)では運転しないもんなのでしょうかね。
顕著なのが、固定資産に関する長期固定適合率と固定比率。マンUはやばい水準。この指標は固定資産を賄うのに、つまり長期の資産を賄うのに、長期の負債や自己資本だけでは賄いきれていない状況です。つまり短期資金(流動負債)まで投入して何らかの固定資産を買ったわけです。具体的な事例としては、自前のスタジアムを作るのに、株主からの出資や銀行からの長期資金を借りるだけでは足りずに、短期資金も入れてしまっている状況です。アーセナルなら分かる話ですけどね(笑)。

ということで、あまり意味のない文章を産出してしまいましたが、名古屋グランパスの売上規模が知れただけでも良しとしましょう。
良しとして下さい。すいません。

Manchester United plc (MANU) -NYSE
は上場していますので、買ってみたら如何でしょうか?\(^o^)/

http://finance.yahoo.com/q/is?s=MANU+Income+Statement&annual
http://finance.yahoo.com/q/is?s=MANU+Income+Statement&annual

関連記事:

「絶対話力」 読了 --ゴールドマン・サックス21年の著者が教える営業の極意

当書籍は、とある先輩の知り合いということで紹介されたものです。
なお、私のこれまでの読了書籍は、こちら
書籍のご紹介 --投資、経済、ビジネスの本 -経済学基礎から偉大な投資家まで

著者はゴールドマン・サックスで営業をされてた方で、非常にアクティブで強い精神力の持ち主であることを感じました。

この本のコンセプトは、「絶対話力」=「1分話力」+「10秒話力」で、「1分話力」、「10秒話力」の内容とその実践などで占められています。

章立ては、
  1. つかむ、伝える、決めさせる -3つのステップ
  2. 絶対話力を鍛える
  3. 絶対話力をチームに広げる
という流れになっており、絶対話力を2つの話し方に分けて解説し、それをリーダとして、マネージャーとしてどのようにチームに適用していくかを説明しています。

印象的だったのは、やはりバリバリの外資系で働いてきた経緯もあって、10秒でお客様のハートを掴み、決めてもらおうとする10秒話力のくだりです。米国の凄腕ファンドマネージャがなかなか話を聞いてもらえない中で身につけた10秒話力の話しは非常に共感できるところがありました。
また、いかにも体育会系的な行動の逸話もコラムで散りばめられており、ちょっと笑ってしまいます。

総合的には、営業のノウハウというより、お客様への接し方の心構え、情熱という語り口です。

最後に、エピローグに載っている「営業にとって大切な5つの軸」を転載させていただきます。
  1. お客様のことをもっと知りたいと思っているか
  2. お客様の約に立ちたいという気持ちがあるか
  3. お客様が「決める」ためのお手伝いをしているか
  4. 新しいニーズをつくるという気合があるか
  5. 信頼関係を築けるか、その資質があるか
少し前まで、私も営業の部署に身を置いていましたので、非常に共感できる良書だと思います。


絶対話力 単行本 – 2013/12/13 土岐 大介 (著)

2014年8月23日土曜日

家計簿のすすめ1 お家の資産を計算してみよう 準備編 --家計の貸借対照表(BS)に馴染む;家計の「ストック」

皆さんは家計簿を作成していますか?
ちょっとした手間で、新しい家計の実態が見えてくる家計簿を作らない手はありません。

これから計7回にわたって、家計簿についてお話をしたいと思います。
家計簿をつけることによって見えてくる我が家の財務状況、そしてそこから考える戦略・戦術について、実例を示しながら説明していきます。
また、合わせて実践するときに悩まれる証券会社の選び方、さらにローンがありながらも投資をすべきか?という命題についてもご説明します。

メニューは以下の通り。
さてさて、第1回目の今日は、家計簿といえば月次の帳面なんかをイメージしますが、いきなりそれを裏切り、年イチで作成するバランスシート、貸借対照表、BSの話から入ります。

バランスシートとは何かですが、その時点(会社で言えば決算期)の資産や負債、純資産を左右に並べ、「ストック」の規模感や割合バランスを示したものです。

事例として、我が家では、1998年から現在まで16期に渡って作成しており、図示したのが下記になります。↓
2本の棒がひとセットで一年のストックを表しています。左側の青と薄茶色がそれぞれ流動資産と固定資産で資産の部を、右側上の黄色と赤が流動負債と固定負債で負債の部、さらに右下の緑色が純資産の部になります。
毎年の2本の棒が左右高さが一緒でバランスしていますので、バランスシートと呼ばれます。


これを作成したあとの効用などは、後日の第3回分析編に譲るとして、今回はこれを作成するための準備とそのルールなどを説明します。

まず、作成について、時期ですが、我が家は決算期を12月31日としていますので(会社で言うと12月期決算とでも言いましょうか)、その日になりますと各種情報を入手して、EXCELに入力していきます。

各種情報ですが、一応本当のバランスシートに倣って、かなりガチで項目設定しています。

まず、流動資産は現預金、外貨預金、金現物、株式、保険、個人年金、貴金属などを設定していまして、その時の時価を入れていきます。私は、ほとんどすべてをインターネットバンキングにしていますので、その時の最後の残高をコピペします。ひとつ、郵便局の定期貯金だけはネットがないので、事前に記帳をしておきます。貴金属などは時価がわからないので、途中から無価値(0円)にしました。安全サイドで決算をするのが重要です。ヽ(^o^)丿
株式は最終日の終値を入れます。ニューヨークや香港では結構年末まで市場がやっていますので、やはり年末の年も暮れた頃がこの作業の最終となります。

次に、固定資産ですが、項目は土地と住宅。土地は、国土交通省地価公示を利用し、家の最寄りの地価を時価としています。固定資産は通常の会社の財務諸表と違い時価で入れています(簿価ではない)。まあ、その方が時勢の移ろいが見えて面白いですので。住宅は通常の会社では減価償却する資産として、定額法や定率法で償却していった残存価額を入れていきますが、我が家はある意味定率法ですが、住宅は住んだらほとんど無価値になると思いますので、住宅を購入した次の年から、毎年半額にする償却方法を採っています。つまり、50%の定率法ですね(笑)。ですので、上記のグラフで当初薄茶色が長くなっていますが、急速に縮んでいるのは住宅の価値が減っているからです。確か2009年からは無価値(残存価額0円)にしましたので、それ以降は固定資産は土地の地価のみの計上額になっています。これも安全サイド見るためですね。実際、住宅は売れませんし、むしろ売却時には更地にする撤去費用がかかるという・・・。(-_-;)

次は、流動負債。黄色の部分ですが、たまに出てくるだけでほとんどないです。定期預金を担保にして普通預金口座がマイナスになっている時だけ存在します。まあ家計では、通常の会社のように資金繰りで短期資金を借りることはないですので、預金担保のマイナスのみを計上します。

固定負債は、住宅ローンですね。一生懸命返済しているので、赤色が地味に短くなっていくのを見るはなかなか感慨深いものがあります。

最後に、それらをプラマイしたのが、右下の純資産、緑色です。家のローンを始めたばかりの人は当初バランスシートを作成すると緑色がマイナスになって、所謂債務超過になることも多いかと思います。我が家も住宅を購入してから、地価がどんどん下落していきましたので、グラフ上でも純資産がマイナスになる寸前でした。債務超過とは、もう一切合切の資産を全部売っ払って借金を返しても、まだ借金が残る状態ですね。(~_~;)


さあ、ここまで情報を取れる状態にしたら、あとは1年に一回記入していくだけです。作業は大体30分程度。
頑張ってみましょう。

次回は、このバランスシートの図を作成した後の、図の見方、さらに家計をどのように持って行ったらよいか、その戦略と戦術を共有したいと思います。


追伸:
もう少しリアルにするなら、大きな資産である現在得られる退職金を入れるのはありかもしれませんね。

関連記事:

2014年8月17日日曜日

Berkshire Hathaway Inc. (BRK-A) 初の20万ドル超え --ウォーレン・バフェット率いる投資持株会社

バークシャー・ハサウェイが初の20万ドル超えしたそうですね。
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NAAZMX6VDKHX01.html

私のこの会社とのお付き合いですが、昨今の投資戦略の変更に伴い米国株の比率を増やしていましたので、これを機に購入しました。
もちろんB株です。

この会社は、バフェットさんの方針で配当を一切出していません。面白い会社です。理由は、配当は企業の利益が法人税として課税された残りから株主等に還元するわけですが、株主はその配当を受け取ったあとに更にもう一度課税されてしまいます。ということで、配当というのは国に二重課税をされており、利益還元の効率が悪いわけです。

バフェットさんは、利益は配当で還元するのではなく、新しい事業に再投資することでキャピタルゲインで株主に還元しようとしています。また、新しい投資対象がない場合は、自社株買いを推奨しています。自社株を買い取ることで、市場に出回る株数を少なくし、相対的に一株利益(EPS)を向上させています。

私の投資思考を根本から変えてくれたバフェットさんでしたので、いつかはこの会社のオーナーになろうと思っていたのですが、A株は株式分割をしませんので、現在では購入するのに2000万円ほど必要になります。恐ろしい株式ですね。今はB株をやっと買うことが出来ましたが、いつかはA株を買うことができるようになりたいですね。

なお、私が読んだ書籍はこちらですが、かなり初期の頃にバフェットさんの本を読んで、衝撃を受けた思い出があります。

ちなみに業績ですが、この直近3期で純利が倍増していますね。素晴らしい会社だと思います。

バフェット語録、
「読書に対して人よりも多く時間を費やしなさい」

「有価証券報告書や四半期報告書をたくさん読みなさい。それらにとって変わるものはないのです」

「さらに言えば、おそらく株式は、インフレに対抗できるひ弱な手段の中では最も優れていると思います。あくまで適正な価格で購入した場合に限られますがね」


http://finance.yahoo.com/q/is?s=BRK-A+Income+Statement&annual

2014年8月15日金曜日

Industrial and Commercial Bank of China Limited (1398.HK) 配当が出ました --中国4大国有銀行の一角、中核的自己資本(Tier1)が世界1位の最大規模の銀行

Industrial and Commercial Bank of China Limited (1398.HK)、中国工商銀行の2013本決算の配当が出ました。

当銀行は、中国の4大商業銀行でその中でも最大の銀行になります。
業績も右肩上がりで推移していますので、業績は良いと思います。

しかしながら、中国はあらゆるところにリスクが存在しており、中国の金融機関への投資はそのことを十二分に理解しておく必要があります。

中国の銀行のリスクとしては、「理財商品」という高利回りの投資信託の問題があり、この投資信託はいつかデフォルトすると予想されています。
合わせて、不動産バブル破綻の話もあり、信用経済が破綻した場合、中国の場合は非常に深刻な状況になるだろうと思われます。
一度、信用が失われた場合、金融業界は真っ先に影響を受けるため、中国の銀行は投資対象としては難しい状況になってきていると思います。

さて、配当利回りは、現時点で6.73%で超高配当です。
割安指標は、PERが5.56、PBRが1.15で、大体の中国の銀行はこんな水準にあります。
他の4大銀行の配当利回りと割安指標は、
  • 中国銀行 6.69%、5.23、0.88
  • 中国農業銀行 5.92%、5.85、1.14
  • 中国建設銀行 6.39%、5.45、1.09
となっています。
中国の銀行がPER、PBRとも低く高配当ということは、穿った見方をすれば、将来が悲観されて株価は割安な状況、その中で高配当で何とか魅力を維持しているというところでしょうか?あくまでも穿った見方です。


http://finance.yahoo.com/q/is?s=1398.HK+Income+Statement&annual

2014年8月13日水曜日

Altria Group Inc. (MO)2 配当が出ました --アルトリアグループ、NISA口座を活用中の米国株安定高配当企業

Altria Group Inc. (MO)の、2014年第2四半期の配当が出ました。

先日のブログ(Altria Group Inc. (MO) --アルトリアグループ、10本の指に入る米国株安定高配当企業)でも紹介しましたが、この会社は高配当を維持し続ける株主思いの会社です。

GlaxoSmithKline plc (GSK)の購入理由と同様、NISA株として購入しました。

現状での配当利回りは、このところの株価の堅調な推移を反映して、4.50%と少し利回りが悪くなりました。しかしながら、米国株の中では有数の高配当銘柄だと思います。

この会社の事業リスクは御存知の通り、喫煙被害の訴訟リスクなのですが、7月20日にRJレイノルズ・タバコが喫煙被害訴訟で約2兆4000億円の賠償判決を出されました(google検索 RJレイノルズ 訴訟)。
RJレイノルズ・タバコはアルトリアグループに次ぐ全米2位のタバコ会社なので、この判決は業界で少し尾を引きそうです。しかしながら、タバコがこの世の中から完全に無くなるかというと、そういうことも急には起きそうにありません。これからは少しずつ嫌煙傾向に振れていくとは思いますが、グローバルに事業を展開しているこの会社は急速に売上を落とすことはないでしょう。本業がそれなりに運営できている限りはこの会社は配当性向の80%を含めて、価値が高い会社で居続けると思います。
では、このような株主重視の会社をどのように買い進んでいくか、そして自分年金銘柄に育てていくかですが、過去の株価の推移を見ると、このような会社でもリーマン・ショックの時は、株価が80ドルから20ドルまで下げています。このような機会を大事にして、うまく買い増していければと思っています。

なお、当銘柄はNISA銘柄としても購入しているので、配当にかかる税金が少なくなっています。
NISA枠については、今年度分がまだ50万円ほどあるので、このような高配当銘柄を地道に買い進めたいと思います。

ちなみに、日本におけるタバコ税は64.4%にも上っており、国内では高税率の嗜好品ですね。やはり嗜好品は急に消費が減少することもないでしょうから、安定企業として認識して良いと思います。


ただ、世界的に見ると、極端な高税率というわけではないようです。米国は税率低いですね。
世界のタバコ価格とタバコ税


http://finance.yahoo.com/q/is?s=MO+Income+Statement&annual

関連記事:

2014年8月10日日曜日

村井直志先生の管理会計セミナーに出席して2 --固定費管理から事業部制評価、投資の妥当性評価など。サンクコストも気にしよう

6月から7月に渡り、合計4回の公認会計士『村井直志』先生の管理会計セミナー『強い会社に学ぶ儲けのしくみと管理会計』に出席してきました。

2日間の午前午後の計12時間に及ぶセミナーで、内容は、
第1回採算ラインをどう弾く損益分岐点(BEP)の求め方
第2回儲けをつかむ、経営指標・KPIの使い方
第3回新規ビジネスは、固定費管理がポイント
第4回経営改革に!コミットメントの重要性
となっています。

今回はそのうちの2日目、3,4について記述します。

第1回目、2回目の様子はこちら
村井直志先生の管理会計セミナーに出席して1 --CVP分析から売上分解、KPI設定まで

第3回目になっていよいよ固定費の話になりました。
この回では、固定費を次の2つのものに大別しました。
  • 設備関連
  • 人件費関連
そのうえで、前者は投資の経済性、投資の妥当性評価の解説をしています。後者は人材をコストと扱わない、「人時管理」の必要性を説明いただきました。
原価の話の一つとして、理解が難しい「埋没原価」(サンクコスト)の話が出てきました。プロジェクトの事例を通して各種原価の解説をしていただいたのですが、サンクコストは特に注意が必要な原価なので非常に勉強になりました。

サンクコストとは、各種投資案のうちどの代替案でも回避が不可能な原価で、将来のフリーキャッシュフローに全く影響を与えないものです。ですので、投資の際には無視をしなければいけない原価なのですが、一度投資をして回収できていない案件はどうしても人間は気になってしまいます。それに引っ張られて、最良の投資案件を逃してしまうことがいろいろな事例で見受けられますので、投資をするものは非常に注意をしなければいけない原価となります。

会社の投資案件もそうですが、株式投資でも基本的な考えとして持っておかなければいけない概念ですし、サンクコストを切って新たな案件に乗り換える場合は心理的なバイアスもかかりますので、ルール作りや心を律する冷静さが必要となるでしょう。

第4回目は、「人時管理」からアメーバ経営の話でした。
アメーバ経営を成り立たせるために、
  • 役割・責任の明確化
  • 時間あたり付加価値
  • タイムリーな経営上情報の提供
が挙げられています。

最後には事業部の妥当性評価へと進み、限界利益、貢献利益での評価の重要性をご教授頂きました。特に、管理可能個別固定費、管理不可能個別固定費、共通固定費の配賦はあまり意味がなく、まずは限界利益額、限界利益率での評価が重要であることを叩きこまれました。

以上で、2日間4回に渡るセミナーの報告です。
今回のセミナーで、私も会社の実務のさらなる向上・改善、投資戦略の見直し等、学ぶところが多かったです。
最後に貴重な機会を頂いた村井先生に感謝したいと思います。

追伸:

村井先生の著作全体は以下の通りです。
村井直志先生の著作
興味のある方はぜひご一読を。

2014年8月7日木曜日

Guangshen Railway Co. Ltd. (0525.HK) 配当が出ました --中国本土で唯一所有可能の鉄道会社、成長に陰りが見えてきた、あと和諧号

Guangshen Railway Co. Ltd. (0525.HK) 広深鉄路(ガンシャンレールウェイ)の配当が出ました。
この会社は鉄道会社です。広州と深セン間を主力の路線とする会社です。
中国本土の鉄道会社としては、香港を含む海外に上場しているのはこの会社以外ありません。

ということで、10年前に「高度成長期の西武鉄道等」をイメージして株式を所有したのですが、ここのところの投資戦略変更を踏まえ再検討しました。

さてさて、この会社の評価ですが、まず広州-深セン間では知る人ぞ知る「和諧号」が運行していることが重要でしょう。
所謂、パクリ新幹線でさらに重大事故を起こしたことで世界に名を轟かす鉄道ですね。ATCが作動しなかった件、運用のダメダメさ、事故後に車両を死者ごと埋めてしまう人権無視の行動など、やっぱりダメダメな会社ですし、国家も如何なものかと。

wikiから抜粋します。
「外国からの技術移転を基にライセンス生産されているが、中国政府は自主開発と発表していた。しかし、2011年6月21日付の「21世紀経済報道」で、元中国鉄道部科学技術教育司長の周翊民が「自分の技術でないので問題が起きても解決できない。(時速 380 km での運転で事故が起きた場合の)結果の甚大さは想像もできない」と、中国の独自技術でない事を暴露していたことが報じられた。」

ということで、遅くなりましたがこの会社とはそろそろお別れをしたいと思います。


https://finance.yahoo.com/q/is?s=0525.HK+Income+Statement&annual

2014年8月3日日曜日

村井直志先生の「強い会社の「儲けの公式」」 読了 --6つの企業事例に隠された「売上最大」「経費最小」のカラクリ

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村井直志先生の著書になります。
先日、公認会計士 村井先生のセミナーに参加させて頂いて、非常に印象に残ったので書籍も購入してみました。
村井先生のセミナーの感想はこちら↓。
村井直志先生の管理会計セミナーに出席して1 --CVP分析から売上分解、KPI設定まで

さてさて、本の話題に戻ります。章立ては以下の通りです。
  1. AKB48は、なぜ売れる前から自前の劇場を持てたのか
  2. JALは、なぜ驚くべきスピードで復活、再上場できたのか
  3. コジマは、なぜ共同戦線の相手にヤマダではなくビックカメラをを選んだのか
  4. ユニクロは、なぜアパレル業界で初の売上高1兆円を達成できるのか
  5. アップルは、なぜ魅力的で革新的な商品を生み出し続けられるのか
  6. 青山フラワーマーケットは、なぜ市場の半額で花を売ることができるのか
本書は、全体的な話の流れとして、実際にあった企業の事例を挙げながら、管理会計の多面的な切り口を紹介しています。

それでは、具体的な切り口を見て行きましょう。
【1.AKBの事例】
固変分解の解説を通じて、秋葉原ドン・キホーテの貸し店舗を、なぜつんく♂が借りるのを断念し、秋元康が借りる決断ができたか、の判断の違いを紹介しています。
非常に面白いです。
さらに、AKSがマイクロファイナンス的なアイドルファンドを構築し、固定費のコスト分散をした発想を解説しています。

【2.JALの事例】
稲盛イズムの紹介です。
人件費を経費とみなさない発想転換を紹介しています。
これはどの会社でも参考になるのでは?

【3.コジマの事例】
コジマの事例は、経営苦境に陥った解決策になぜビックカメラとの資本・業務提携が選択されたかを限界利益の観点から解説しています。
また、合わせてCSやFCFの観点から、日産自動車と三菱自動車の違いを説明しています。

【4.ユニクロの事例】
ユニクロは、売上分解の話です。ユニクロが既存の小売業の慣習から発想転換し、ファブレス企業へ転身し、SPA形式を推し進めた経緯を説明しています。
やはり小売の話ですから、合わせて在庫の話、さらに事業の現在価値の話に進み、正味現在価値法(NPV)の割引キャッシュ・フロー法(DCF)に触れています。
また、この章の最後でオリンパスの粉飾決済の手法も紹介されており、「のれん代」の減価償却のギャップについて説明しています。

なお、この件は、私が別に読了した書籍「会社法による決算の見方と最近の粉飾決算の実例解説」でも紹介されており、下記↓の私の記事もご一読下さい。
「会社法による決算の見方と最近の粉飾決算の実例解説」 --事実は小説よりも奇なりを感じる近年の粉飾決算を解説する良書

【5.アップルの事例】
アップルの事例では、過去スティーブ・ジョブズが唯一失敗し、会社を追い出された過剰在庫の件を説明しています。
在庫に関しては、ABC分析、経済的発注量(EOQ)の手法が解説されています。
EOQは定量発注方式、定期発注方式等々手法があり、結構公式を覚えるのが大変なんですよね。昔、試験勉強で苦労したことを思い出しました。

【6.青山フラワーマーケットの事例】
この章では、バランスト・スコアカード(BSC)の登場です。キーワードは述べられていませんでしたが、顧客目線を従業員が持つということでインターナル・マーケティングやインタラクティブ・マーケティングも含んだ内容になっています。いわゆる従業員満足度→顧客満足度の流れです。
さらに、青山フラワーマーケットでは固定費削減の手法として、花屋では必須と考えられていた胡蝶蘭をメニューから削除した効果も解説しています。


長々と書いてしまいましたが、上述の通り、経営に関するいくつかの定量化手法、評価手法を”事例”で紹介していますので読みやすく分かりやすい書籍だと思います。読むハードルはそれほど高くありませんので、一度読んでみてはいかがでしょうか?


最後に私の印象に残った事項は、
稲盛さんの、時間あたりの採算、1時間あたりの付加価値で人事管理することを経営指標にすべき、というところで、人件費の180度違う見方が印象的でした。
利益の算出過程では、だいたい人件費を経費とみなすものですが、管理会計(特に稲盛式)では経営資源=付加価値を生み出す源泉と考えるわけですね。人件費をあまり強く経費として取り扱うべきではないことを学びました。

強い会社の「儲けの公式」 [単行本(ソフトカバー)] 村井 直志 (著)

この記事のまとめ:
  • AKB48、JAL、コジマ、ユニクロ、アップル、青山フラワーマーケットの具体的事例で事業を分解
  • 経営の定量化の手法を解説
  • 経営を見えるようにするため、管理会計的な手法で幾つかの要素に分解

関連記事:


2014年8月2日土曜日

村井直志先生の管理会計セミナーに出席して1 --CVP分析から売上分解、KPI設定まで

6月から7月に渡り合計4回開催された、公認会計士『村井直志』先生の管理会計セミナー『強い会社に学ぶ儲けのしくみと管理会計』に出席してきました。

2日間で午前午後の計12時間に及ぶセミナーで、内容は、
  1. 第1回採算ラインをどう弾く損益分岐点(BEP)の求め方
  2. 第2回儲けをつかむ、経営指標・KPIの使い方
  3. 第3回新規ビジネスは、固定費管理がポイント
  4. 第4回経営改革に!コミットメントの重要性
となっています。

今回はそのうちの1日目(6月開催)、1,2について感想を書きたいと思います。

まず、村井先生ですが、若くて非常にエネルギッシュな先生でした。さらに、セミナー終了後の質問タイムにもかなり長く付き合ってくれて、私からの財務会計に関する諸問題や質問についても、丁寧に説明をいただきました。
お忙しいところ本当にありがとうございました。

さて、セミナーの内容ですが、1日目は上述の通り、BEPの作り方そして財務3表と指標、売上分解、KPIの作り方等でした。
特徴的なのは、AKB劇場やQBハウス、Soup Stock Tokyo、青山フラワーマーケットなどの豊富な事例について、多面的な切り口で経営改善方法を解説をしているところです。経営者の方々がどのような問題で悩みそしてどのような切り口の解法で解決をしていったのかを、企業経営理論の体型の中で説明してくれます。

正直、その事例が面白すぎるので、村井先生の著作、強い会社の「儲けの公式」 [単行本(ソフトカバー)] 村井 直志 (著)をすぐに購入して読みました。すでに読了しましたので、書評を入れさせて頂きました。書評はこちら↓。
村井直志先生の「強い会社の「儲けの公式」」 --6つの企業事例に隠された「売上最大」「経費最小」のカラクリ

内容で印象に残った点が二点あります。まず一点目は、話しの中に稲盛和夫さんのアメーバ経営の話が頻出する点です。稲盛さんの経営に対する情熱、そして改革の観点も改めて勉強できましたし、稲盛さんの考え方を具体的に理解できました。
特に、
  • 売上を最大に、費用を最小に
  • 人時管理 →人件費を費用と扱わず、さらに人の稼働時間単位で評価をする
が考え方の根底にあって、それを実現するための財務諸表の読み方、数字の作り方を教えていただけたので、非常に有意義なセミナーでした。

二点目ですが、村井先生が読書について、一日一冊読了するように努力されていること。さらに、その本について、都度A3ベースの紙に手書きで要点を記述されていることでした。今回のセミナーでもその資料が利用されており、先生のまとめ方の手法を垣間見ることができました。


最後に、村井先生の著作全体は以下の通りです。
村井直志先生の著作
興味のある方はぜひご一読を。

第3回、第4階の様子はこちら
村井直志先生の管理会計セミナーに出席して2 --固定費管理から事業部制評価、投資の妥当性評価など。サンクコストも気にしよう

2014年8月1日金曜日

アルゼンチンのデフォルトの検証 --国的にダメな時もあるが、投資すべきか?

前回は、マレーシア航空撃墜事件を踏まえて、ロシア株の今後を考えました。
ロシア売り、暴落の事例検証 --戦争等の不確実性が上がることによる資金の引き上げ

今回は、アルゼンチンのデフォルトを考えたいと思います。

アルゼンチンの今回のデフォルトについて、その構造はもうご存じの方も多いと思います。
アルゼンチンは2001年、デフォルトを起こしており、その際に約90%の債権者に平均で75%の債権放棄をお願いしていました。しかし、残りの約10%の債権者が債権放棄に応じず、また、米国での裁判で約10%の債権者に全額支払いをしない限り、約90%の債権者への支払いを認めない判決を出していることから、アルゼンチン政府はどちらにも払えない板挟み状態になっていました。

アルゼンチン政府としては支払い能力はあるので、払っても良いのだろうけど、上記の判決に縛られて支払いができないようです。、
このような、払える状態なのに、デフォルトをすることをテクニカルデフォルトというのですね。

ちなみに私が保有しているアルゼンチン株式のメルカドリブレ↓
https://finance.yahoo.com/q/bc?s=MELI
絶賛大暴落中。ヽ(^o^)丿
まあ、こういう時もありますです。


さて、ではこのような状況で、アルゼンチン株式を買うべきかどうかということですが、気長に待てる余裕のある方は買っておいても良いかと思います。通貨も安くなっているので、リスクはかなり減っていると思います。

国全体としては成長をしています。

http://ecodb.net/exec/trans_country.php?type=WEO&d=NGDP&c1=AR&s=&e=

大きく見ると投資のチャンスでしょうね。

しかしながら、アルゼンチンは現在、短期的には実体経済に少し落ち込みが見られますので、資金と時間に余裕のある方のみが儲けられる投資対象でしょう。
まあ、このような現象は新興国の株式では日常茶飯事で起こりますので、気持の余裕を持って臨みたいところです。


--- ここからヤフーニュース引用 --
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140731-00000011-asahi-bus_all
米S&P、アルゼンチン国債を格下げ 「債務不履行」に
朝日新聞デジタル 7月31日(木)6時32分配信
 米大手格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は30日、アルゼンチン政府が借金のために発行した国債を、約束通りお金が返せない「債務不履行」の一種である「選択的デフォルト」(SD)に格下げしたと発表した。

 S&Pによると、SDは21段階ある格付けのなかで実質的に最下位の水準。同社は先月末、アルゼンチンが期限を迎えた米ドル建ての国債の利払いができなかったことから、下から3番目の投機的水準とされる「CCC(トリプルC)マイナス」に引き下げていた。

 利払いには30日間の猶予期間があり、その期限が今月30日となっていた。アルゼンチン政府と米投資ファンド側は協議を続けているものの、S&Pは、アルゼンチンを支払い能力はあるのに返済できない「テクニカルデフォルト」とみなした。(ワシントン=五十嵐大介)