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2016年6月4日土曜日

「資本主義の終焉と歴史の危機」読了 --資本主義の本質を利子率の変化から見た良書。いまの日本はある意味トップランナーだった!

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この本は、私自身、資本主義の問題点がこのところ噴出しているなと感じていたことについて、共感できる論理を与えてもらった本です。ここ数年で一番納得ができる経済書です。

章立ては、
第1章 資本主義の延命策でかえって苦しむアメリカ
第2章 新興国の近代化がもたらすパラドックス
第3章 日本の未来をつくる脱成長モデル
第4章 西欧の終焉
第5章 資本主義はいかにして終わるのか
となっています。

この本の論旨ですが、
  • 資本主義は、基本的に「中心」と「周辺」で成り立っている
  • 資本主義は、中心が周辺を搾取するシステムで成長してきた
  • これにより中央は、タダ同然のコストで成長してきた歴史を持つ
というものです。この構造は16世紀から続いており、その構造が現在壊れつつあり、資本主義が終焉し始めているという話です。
つまり、資本主義は経済成長(と競争)を前提としてきたシステムであり、これが崩壊しつつあるという論理です。

崩壊の指標となるのが「利子率」。昔は時間の価値は神の領域でしたが、資本主義が始まってから人間が支配するようになります。この利子率が、現在は、17世紀初頭のジェノバ以降、最低の利子率、金利を示しているというのです。

当書籍の歴史検証によると、16世紀から始まった資本主義は、一時期長い16世紀を経て、中心が周辺へと拡大するようになります。すると中心と周辺は時間が経つに連れて、自然と先進国と途上国へと分かれていくようになるのですね。

次に、中心の地域は領土的な拡大限界を迎え、海洋へと飛び出すようになります。
それまで、ヨーロッパの領土内で閉じていた中心と周辺の概念が、この時期から海を越えた拡大を見せるようになり、英国や米国が海洋国家として勃興してきます。海洋を制した国家はこの後、一時代を作るようになります。
このことは大きなトピックで、海洋に進出することにより当時としてはほぼ無限大の資源や労働力をほぼタダ同然に手にすることができ、国を発展させました。

内陸国家から海洋国家への主役の交代ですね。最終的には植民地化により莫大な富を手にするようになり、資本主義は急加速していきます。

同時にこの頃から、「地政学」も意識されるようになり、現在では内陸国家、海洋国家の分類があり、それぞれ国の戦略が違います。

話は飛びますが、日本は米国や英国と同じように海洋国家であり、海洋国家の中でも大洋に面して政治的にも経済的にも重要な位置づけとなっています。
一方、日本の隣国の中では、ロシアや中国は内陸国家であり、一時代前の成長しかできない国家であるため、海洋への展開を国家戦略としています。現代のグローバル化された国々の戦略は、内陸から外へ侵略を試みる国々と海洋を亘ったグローバル利権を維持する国々との対立と見ることもできます。

話を戻します。しかし、その反映も19世紀から20世紀になると停滞するようになり、途上国も徐々に成長を謳歌するようになり、先進国の伸びしろはどんどん少なくなり、成長は鈍化していきました。

そして、現代では、あらたなフロンティアとして、上述のような地理的な成長展開ではなく、電子・金融空間への展開を発明します。マネーやグローバル金融、資本の自由移動をベースとして、よりバーチャルな成長空間を生み出しました。

当書籍では、このことを「空間革命」と呼んでいます。現在では、ほとんどすべての自由主義陣営の国家が資本移動を自由化していて、このような空間革命に参戦しています。

このような歴史考証から、当書籍は資本主義の成長を前提とした荒々しい仕組みを解説していきますが、当書籍の最終結論として、成長やフロンティアが少なくなった現在、資本主義は今後数十年単位で大きく変質する、終焉することを予想しています。
合わせて、資本家が労働者をより搾取し、成長を図っていく未来も予想しています。実際、ピケティさんの結論もそうでしたね。

そして、低成長でも安定した新しい未来を提案しています。特に、日本はすでに低成長な時代に入っているので、新しい体制のトップランナーとして時代を有利に進めるのでは、と著者は考えているようです。

纏めになりますが、当書籍は、資本主義の歴史を、観点を絞って論理的に説明しています。
特に、利子率や成長について着目し、資本主義の本質を明らかにしている点は一読する価値があります。
資本主義の歴史について勉強したい方やその国家の成り立ちを知りたい方は是非、手にとって見てください。

最後に、私なりの感想ですが、本当に資本主義が終焉するかは疑問です。これまでも資本主義は、あらゆる危機を迎え、その都度、競争をベースに違う価値観を見つけてきました。
例えば、「「経済古典は役に立つ」 再読 --歴史的経済思想家9人が織りなす資本主義の本質、投資は経験ではなく歴史から学ぼう!!」の記事でも書きましたが、その昔、マルサスは「人口論」で、人口は幾何級数的に増加する一方、耕作地は算術級数的にしか増加しないことから、将来の食料不足を予言しました。しかし、そうはならなかった。

私は資本主義は強い仕組みだと思っています。これからも競争をベースに新たな価値観で進んでいくでしょう。
そういう意味では、当ブログのテーマであるFairValue、公正価値の広義の価値も、捉え方が変化していろいろ移ろいで行くのでしょうね。私の経済思想は、当書籍の主張とは反対の、ミルトン・フリードマンやハイエク派の方ですが、今後や未来のことはどうなるか分かりませんね。

この記事のまとめ:
  • 資本主義は、中心が周辺を搾取する方法で成長してきた
  • 現代の資本主義は、地理的、金融空間的な成長の伸びしろがなくなった
  • その分、資本家が労働者から搾取する方法も強化されるだろう
  • 今後は、緩い新しい政治・経済体制に移行していくことが予想される
  • 日本は、すでにそのまっただ中に突入している
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