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先日、米国株における「ダウの負け犬戦略」について書きました。今日はそもそも米国株に今投資をすべきかを、超長いスパンのデータを見える化して考えてみたいと思います。
シラー教授のサイト↓
http://aida.econ.yale.edu/~shiller/data.htm
には、1871年1月からの米国株式市場のデータがあります。毎月の膨大なデータですので使い勝手があります。
今回は、米国市場の平均PERを時系列で並べてみました。
青色が市場全体の平均PERですが、1800年台は15から20倍の間。その後、1929年の大暴落の前後で、30倍と異常に上がった後、5倍まで下がっています。市場全体のPERが5倍というのは極めて異常な事態で当時の阿鼻叫喚な状況が数字からも読み取れます。
ちなみに、PERは株価収益率などという名前の数字で、株価を一株利益で割って、現在の株価が何倍くらいなのかを表した比率です。簡単に言うと、この株価を今の利益水準で元を取ろうとすると何年かかるか、を表した数字でもあります。単利計算ですが。
ですので、このPERを逆数にしますと、単利ながら利回りと考えることができますので、PER30倍だと利回りは約3.3%、PER5倍だと利回り20%とも考えることができます。
一般的に(あくまでも一般的に)、PERを10倍を割ると割安株などと呼んだりもしますが、その業界全体が低迷していて、あまり人気がないときには業界全体が低PERになりますので、安易に絶対量だけで判断するのは危険な指標です。
さてさて、グラフに戻って、現在の米国株式のPERの水準は25倍を超えています。この数字が中長期的に見て高いか安いかわかりませんが、大暴落以前のようなピークやITバブル・ニューエコノミーの頃(1999年頃)のようなピークではありませんので、まあまあほどほどでしょう。
現状は、米国も欧州ももちろん日本も、世界的に金融緩和を継続した後ですから、市中のマネーはあふれている状況です。まあ、日本は金融緩和を絶賛継続中ですが。その上、原油は政治的に(米国のシェールオイルを干すため?)低い価格になっており、商品(金などのコモディティ投資)もいまいちです。
では、世界のお金はどこにいるのかというと、ここのところは、株式市場にお金が集まって、しかも強い米国の一人勝ちのような感じです。ですので、少し高めのPERが付いているのかもしれません。
もうちょっとすると米国株は調整局面に入るかもしれませんね。
まあ、そうは言いながら米国は実体経済も強く、長い目で見ると人口が増加するピラミッドを持っていますからGDPの成長も堅いです。
私は、それなりに調整したら米国の優良企業をじわじわと買っていく予定です。
追伸:
なお、2軸目はCPI、消費者物価指数を合わせてみました。特別なコメントはありませんが、CPIが急に上昇しているように見えますが、対数で見るとほぼ直線的です。やっぱり、資本主義下では経済の成長に伴って、物価はそれなりにきちんと上がっていきます。
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