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2016年5月28日土曜日

The Procter & Gamble Company (PG)4 配当が出ました --キャッシュフロー観点で見てみましょう!投資すべき高配当企業の実態

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前回、「The Procter & Gamble Company (PG)3 配当が出ました --連続増配のエクセレント企業。消費財の安定企業です」で、プロクター・アンド・ギャンブル社の財務状況を見てきました。
今回はキャッシュフローの状況を見てみたいと思います。

なお、連続増配の会社は、「米国の連続増配企業50選 --配当は株主への約束!米国には安定成長の超優良企業が目白押しですね!」で記事に書きましたが、著名どころの会社が株主還元を継続しています。当プロクター・アンド・ギャンブル社も増配会社で偉大な企業です。

キャッシュ・フロー状況ですが、営業キャッシュフロー、投資キャッシュフロー、財務キャッシュフローの順番で、ここ4期ですが、すべて、「+,-,-」です。
つまり、安定的に本業は維持してキャッシュイン、そしてきちんと投資をしてキャッシュアウト、さらに借入及び株主還元はキャッシュアウトしている状況です。

その上で、その多寡の状況を見ると、直近の2015年度位は財務キャッシュフローのマイナスが大きく見えます。借入金を返している状況ですね。つまり、やや守りの状況だと受け取れます。さらに投資キャッシュフローもやや減っていますので、そのシナリオを強化しています。

表面上の見方ではここまでは言えますが、今後の経営についてはキャッシュの出方と、その明細を見る必要があります。
その状況をグラフにしています。玉の大きさが営業キャッシュフローで本業の強さを表します。横軸は投資キャッシュフロー、縦軸は財務キャッシュフローとなります。
これを見るとプロクター・アンド・ギャンブル社は投資は継続的に柔軟にしているのが分かります。そして、借入は柔軟ながら基本株主還元に進めているのが分かります。偉大な企業ですね。

前回の記事の、「The Procter & Gamble Company (PG)3 配当が出ました --連続増配のエクセレント企業。消費財の安定企業です」でも表れていますが、プロクター・アンド・ギャンブル社は、業績が下げても、株主還元を優先していますので、このようなコミットメントをする企業は重要だと思います。
最後に、損益分岐点を見てみましょう。売上面、利益面で短期的に下げている当社ですが、損益分岐点を現状維持しています。要因は、固定費をそれに合わせて下げていることですね。

企業としては、様々なマイナス要因にアジャストして、一番重要な、「継続」するという命題に立ち向かっていく事が重要です。
私たちは、投資を考えるにあたってこのような未来を考えている企業に投資するべきではないでしょうか?

関連記事:

The Procter & Gamble Company (PG)3 配当が出ました --連続増配のエクセレント企業。消費財の安定企業です

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The Procter & Gamble Company (PG)の2016年第1四半期の配当がでました。
連続増配の会社は、「米国の連続増配企業50選 --配当は株主への約束!米国には安定成長の超優良企業が目白押しですね!」で記事に書きましたが、著名どころの会社が株主還元を継続しています。

The Procter & Gamble Companyは皆さんご存知の通り、日用品、消費財を提供しているグローバルカンパニーで、下記のようなブランドを持っています(画像はプロクター・アンド・ギャンブル社のホームページから)。
日用品の会社というのはいいですよね。日用品は必ず生活のために必要になりますので、ある程度の会社規模になったらあとは雪だるまのように惰性がついて大きくなっていきます。

EPSの推移ですが、
2005 2.66
2006 2.64
2007 1.41
2008 3.64
2009 4.26
2010 4.11
2011 3.93
2012 3.66
2013 3.86
2014 4.01
2015 2.44
と、紆余曲折はありながら少しずつ成長しています。堅い成長といった感じです。

それでは財務状況を見てみましょう。
売上は横ばいでしたが、2015期は落としています。利益も少し悪くなっていますね。
ストックに対する収益性です。やはり最新の期が悪いです。
費用面を見てみると、販管費率がやや上昇。売上を落としている中で固定費的な販管費が上がるのは非常に良くないです。
在庫は減少。
効率性。在庫や売掛金に対する効率は上がっているようです。在庫が減ったことに連動していますね。
利息のカバレッジは問題なし。
短期の資金です。流動比率や当座比率は100%以上が良いですが、業態に酔って当然変わってくるのでこんなものなのでしょうか。値は少しずつ改善しています。
この指標群は、これほどの大きい会社になると評価は難しいです。
2015期で配当性向が大幅に上がっています。利益を下げていますので、原資が減った分、割合が増えた感じです。

この記事のまとめ:

利益は下げましたが、当社の規模感を見ると安定度に関しては問題ありません。EPSも安定。
利益を下げても配当は維持しています。
連続増配会社で株価下落時に買っていきましょう。

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2016年5月21日土曜日

内部留保ってなに?日本の会社は貯めこんでいるの? --お金を貯めこんで従業員に還元していないという錯覚

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昨今、テレビなどのマスメディアでよく耳にする言葉に「内部留保」と言うのがあります。実はこの言葉、会計的にはきちんと定義された言葉ではなくて、いろいろな意味合いで採られる言葉となっています。
イメージとしては、会社が利益を蓄積したものの代名詞として使われていますが、実体はどうなのか、今日は見てみましょう。
とりわけ内部留保というと、会社は現金(預金)を貯めているようなイメージを持たれていますが、どうなのでしょうか?

内部留保は、(いろいろな解釈がありますが)おおむね利益剰余金のことを指します。

そこで、利益剰余金とは、ということになりますが、財務諸表のバランスシート、貸借対照表を見てみます。
右下に利益剰余金がありますね。
この右下の部分は、純資産といって(昔はこの表のように資本の部と言っていた)、会社を立ち上げた時に集めたお金の「資本金」や、会社を立ち上げた時に集めたお金の内、半分を限度にイザという時のために取っておく「資本準備金」、毎年の利益を積み上げていく「利益剰余金」などがあります。

では、この右下の純資産の部分はどのようなものなのかを見ていきます。
そのためにまずこの貸借対照表、バランスシートの構造から解説します。バランスシートはバランスと名前が付いているだけあって、左右の金額が同じ値になってバランスしています。左は資産、右は負債と純資産、このふたつが同じ金額になるんですね。

で、先に答えを言ってしまうと、ざっくりな話ですが、右下の純資産は、左の資産から右上の負債を引いたものとなります。この右下に現預金があるわけではなく、(ざっくりな言い方ですが)ただの引き算の残額が計算上でてくるだけです。つまり、皆さんがイメージする現金のようなものではなく、バーチャルな余り物というイメージです。

このことを実感するために、具体的に一つ一つの勘定科目を見ていくと、現金預金のようにかっちり金額が決まっているものがありますが、いかにもバーチャルで実体に合わないものも多々あります。
例えば、左上の流動資産にある商品、これは在庫のことですが、ユニクロのように陳列されているものならばまだその金額で売れるとは思いますが、旬を過ぎたものは廃棄ですよね。つまりこの商品金額を査定(棚卸し)するのはかなり難しい話で、裁量が入りやすい項目です。

似たようなものに左下の固定資産にある建物工具器具及び備品など。これらは会社の事業を進めるために必要な道具なんでしょうけど、いざこれを売ろうとした時には本当にこの価格では売れることはほとんど無くて、二束三文となってしまいます。実際、銀行がお金を貸す時に担保として設定するときにはこんな二束三文のがらくたは評価もしてもらえません。

さらに、逆モードなものが、土地。土地は財務諸表上、簿価で載っています。買った時の価格です。つまりむか~し買った土地は激安で財務諸表に載っている可能性があります。
この辺のギャップを突こうとしたのが、ライブドアであり堀江貴文さんだったりします。

次に右上、負債。ここは比較的に借入金(銀行からの借金)など実費に近いところがあります。しかしながら、固定負債にある退職給付(給与)引当金のように、退職金制度にDB(確定給付型企業年金)を敷いているような会社は、将来の従業員への退職金支払を想定して負債計算をしていますので、こちらも計算上の想像上の金額となります。

以上を踏まえると、「内部留保」にあたる純資産は、非常にバーチャルで、多めだったり少なめだったりする諸々の勘定項目を足したり引いたりした余り物と言うのが分かります。かなりブレが大きいものですよね。
ということで、内部留保などという言葉に惑わされずにきちんと会社の実態を見抜けるようにしましょう。ヽ(^o^)丿

その他にも、売掛金と買掛金の関係(いわゆるサイトの話)で現金は苦しい会社もあり、財務諸表と実際のキャッシュベースではかなりの乖離がありますので、注意が必要です。
参考記事「Panera Bread Company (PNRA)6 銘柄紹介 --パネラブレッドの資金繰りを見てみましょう

このように財務諸表にはいい面も悪い面もありますので、投資においては、会社の良し悪しを貸借対照表や損益計算書だけで判断するのではなく、キャッシュフロー計算書で現預金の動きを追っていく必要があります。

この記事のまとめ:

内部留保は、実際に現金や預金があるわけではない
会社の財務諸表には、商品在庫や工具備品、退職金引当などのバーチャルな資産、負債がある
資産-負債のあまりものが内部留保

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2016年5月15日日曜日

「定量分析実践講座―ケースで学ぶ意思決定の手法」 再読 --定量分析の定石をケースバイケースで学ぶことができる入門書

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この本は、今から9年前の2008年3月に購入した書籍です。あれから10年ほど経って再度読んでみました。
当時読んだ感想としては、眼から鱗、感動感動で、今まで読んだ本の中でベスト10に入るものです。
タイトルを見ると小難しいような気がしますが、具体的な内容でページ数も200ページほどですので気軽にどんどん読み進められます。

章立ては、
第1章 ビジネスパーソンにとっての合理的意思決定の意味
第2章 リスクのもとでの意思決定
 CASE1 バス通勤
 CASE2 フランチャイズの選択
 CASE3 新店舗立地の検討
第3章 確実性のもとでの意思決定(1)
 CASE4 桜最中販売の検討
 CASE5 社員研修の実施
 CASE6 冷蔵ケースの入れ替え
 CASE7 冷蔵ケースの入れ替えの再検討
第4章 確実性のもとでの意思決定(2)
 CASE8 資金運用
 CASE9 初詣向けの仮設店舗
 CASE10 店員の有効配置
第5章
 CASE11 出店立地の拡大
第6章
 CASE12 景気予測の購入
 CASE13 店舗買収の検討
 CASE14 店舗買収の決定の延期
 CASE15 調理商品の取り扱いの検討
 CASE16 競合との商圏争奪戦

章立ての展開としては、本書の登場人物、主役がコンビニを立ち上げるにあたってどのように意思決定をしていくかを、実際の事業立ち上げのケースに基づいて解説していく流れになっています。

で、この本の冒頭には、意思決定の3つの評価軸ということで、「合理性」「価値観・倫理観」「感情・性向」が示されています。その中で、価値観や感情は譲れなかったり、研鑽したからといってすぐに効果が出ないことを指摘しており、残りの合理性だけはある程度訓練可能なため、この合理性の部分を本書のテーマとしています。

実際、投資活動の中でもこの3つの評価軸に似たような概念があります。私のFairValueInvestmentの投資方法でも、より定量的にアプローチし銘柄選択をしますが、自分の価値観には大きく左右されます。また、最終的には欲を制御することが大事になってくるため、感情のコントロールのために仏教的な考え方を用いることがあります。
人間は感情的な動物ですので、すべてが合理的に行くわけではありませんが、当書のような定量分析の体系を理解して合理的に意思決定を実施することにより、成功確率を上げていくことができると思われます。

次に、内容ですが、意思決定に関する大事な事柄はかなりフォローされています。
第2章では主にリスクとリターンの関係。その中でもリスクの定義がされています。リスクとはバラつき具合のことであって、統計的に1標準偏差のことです。また、統計的に標準偏差を用いているということは、母集団が正規分布することを前提としています。投資をされている方でこのリスクの定義を理解していない人が非常に多いと感じます。リスクとリターンがトレードオフである投資の世界において、リスクの定義を理解していないのは致命的であり、身の破滅をもたらせます。そういう意味で本書は冒頭からベーシックなリスク・リターン関係を定義しているのは正統的なアプローチであると感じます。
また、この章では、母集団を特徴づける指標も説明しています。みなさんも平均値はよくご存知だとは思いますが、中央値(メジアン)や最頻値(モード)は接する機会は少ないかもしれません。例えば、平均年収などという数値は少数のお金持ちが値を上げますので、グラフで分布を見ると特徴を表しているとは思えない数値になることが多くあります。その際には、中央値を使うなどして見ていくことが必要です。
投資とは確率の世界であり、より成功確率を高めるためには、統計的な考え方、見方を身につける必要があるでしょう。

第3章以降は、定量評価の具体的な方法を示しています。
キーワードとしては、機会費用、サンクコスト、NPV、ディシジョンツリー、ベイジアン、リアル・オプションなどなど。これらキーワードを聞いて瞬時にきちんと答えられる人は、投資においても成功する確率が格段に上がると思います。
例えば、サンクコストは埋没コストと呼ばれるものであり、概念としては過去に投資したコストは将来の意思決定に影響を与えないというものです。当書では大型冷蔵庫を再購入する事例が書かれていますが、買い替えの場合(古いものを並行利用できない場合)は、将来のキャッシュフローの現在価値の最大化が大事であって、過去の投資コストには影響を受けません。

投資や経営でこのような手法を実際に用いることはほとんどないと思いますが、概念を理解し、二者択一や三者択一の意思決定を求められた時に、より成功確率が高い方にベットできれば十分本書の概念を活かしているといえるでしょう。

最後に、意思決定や定量評価という分野は学術的にも多くの書籍が出版されていますが、当書はそのさわりの部分を平易に物語的に書かれています。
仕事の中でも感情的ではなく、より定量的に論理的に話を展開したい、その手法を知りたい方にとっては、当書はより具体的であり、実践的ですのでお役に立つのではと思います。

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2016年5月14日土曜日

名古屋グランパスを経営して看る10 --名古屋グランパスで増収増益を図るには。マーケティングのフレームワークで分析してみました

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前々回、前回と名古屋グランパスの財務状況を他のJリーグチームと比べてきました。
名古屋グランパスを経営して看る8 --2014年度の各チームの財務状況。グランパスはあまり良くないです・・・・、連続赤字と債務超過すれすれ
名古屋グランパスを経営して看る9 --Jリーグクラブの経費の質を見ていきましょう。人件費はグランパスが1位。ちょっと選手年俸高過ぎのような・・・・

今回は、その課題を踏まえて、今後どうしていけば名古屋グランパスが増収増益できるか、ひいては強い人気チームになれるかを考えていきたいと思います。
少し話題が重すぎるか(笑)。

今回は、収入内訳は、「広告収入」、「入場料収入」、「Jリーグ交付金」、「アカデミー関連収入」、「その他収入」がありましたが、今回は相対的にちょっと少ない、つまりグランパスが弱いところの「入場料収入」の増やし方を考えていきましょう。

方針を考えるにあたって、いろいろな観点からアプローチすることができますが、今回は、マーケティングの観点から掘り下げてみましょう。
マーケティングのフレームワークもいろいろありますが、今回は、小売のマーケティング手法を参考にします。
ISM(In Store Merchandising)、インストア・マーチャンダイジングの手法になります。
なお、図は、経済産業省の配下にある、独立行政法人中小企業基盤整備機構(略称:中小機構)が運営するホームページ、J-NET21から採ります。当ホームページは日本の95%を占めるという中小企業を支援するためのサイトです。その中の、「HOME > 経営をよくする > 小売・流通業の新常識」の図をお借りしています。

上記のように、売上は、
売上=客数×客単価
と分解でき、さらに、
売上=(来店客数×来店頻度)×(商品単価×買い上げ点数)
と分解されます。
これは小売の用語ですので、名古屋グランパスの「入場料収入」の用語にできるだけ直してみましょう。

売上=(①現地観戦をする潜在的なサポータ数
   ×②一人当たりの1シーズンのスタジアム観戦数)
   ×(③一人当たりのチケット代とグッズ購入代金とグルメ購入代などなど
   ×④買い上げ点数)

では、一つ一つ改善可能か見てみましょう。

①現地観戦をする潜在的なサポータ数

ここは大きな改善項目ですねー。
人口約200万人の名古屋市、そして東海3県をホームとしていますので、潜在的な人の数は多いはずです。
少し前の記事、「名古屋グランパスを経営して看る3 --都市人口から見るサッカークラブのあり方と地元への訴求具合について」で、単位人口あたりの入場者数を見ましたが、まだまだサポーターになる余地のある人は潜在的に多いので、ぜひぜひ増やしていって欲しいと思います。
このような潜在的な人口のマスにアプローチできていないという課題は、次のような公式になります。広告効果の公式ですが、グランパスを知らない人にグランパスの話題がどれだけ届いたかどうかになります。

効果=リーチ×フリクエンシー

リーチは、どれくらいの人に届いたか。フリクエンシーは、一人当たり何回くらい届いたかになります。幅広く人に、何回くらい届いたかで2次元的な効果が分かります。

グランパスの場合は、リーチとしてはまだまだ知名度が少なくもっともっと知らない人へたくさん到達できると思いますので、頑張って欲しいと思います。私も、Facebookのグループで名古屋グランパスのグループを立ち上げていますが、目的の一つは、この名古屋グランパスが名古屋グランパスを知らない人へのリーチを上げて、知名度アップ、そして情報の伝達を広げたいからです。

次に、フリクエンシーですが、直接的なマスメディア広告を除いて、名古屋グランパスを知らない人へ何度も接触できるようにするには、やはりクチコミが大事なのではないでしょうか。
企業の5大コミュニケーションは、広告、広報、人的販売、SP(セールスプロモーション、販売促進)、クチコミとありますが、地域に根づいたクラブを目指すためには長く愛されるチームとなるべきで、そのためにはクチコミのような、一方的ではなく双方向の伝達手段が有効だと思います。
東海3県、そして名古屋は歴史的にも面白い地域なので、文化的、歴史的、つまり長い時間軸を織り交ぜて末永く愛されるチームとなっていって欲しいと思います。

潜在的なサポータ数について纏めますと、地域的な特徴を出すこと等によりクチコミ等を使い、名古屋グランパスを知らない層にリーチを上げていく、合わせて接触回数を上げる事により認知を向上させる、のが今後の施策となるのではないでしょうか。

目標は、地域チームとしての先輩格の中日ドラゴンズくらいの認知まで上げられればいいですね。ヽ(^o^)丿

②一人当たりの1シーズンのスタジアム観戦数

次の一人当たりのスタジアム観戦数ですが、違う言葉で言うと「リピート数」ですね。多くのリピーターを作ることが重要です。
この最終到達点としては、サポータに年間シートを買ってもらう、ファンクラブに入って年間チケットを買ってもらうことになります。まずは、一度足を運んで頂いたお客様にもう一回来てみたいな、と思われる環境を作らなければなりません。
こちらの施策の主は環境づくりですので、対応策はいろいろあります。
良いサッカーを魅せる、スタジアムの劇場的なスペクタクル感・非日常感づくり、スタジアムグルメ、マッチデープログラムなどなど上げればきりがありませんね。
予算の制約があるところですので、こちらも長い目で進めていってほしいところです。

③一人当たりのチケット代とグッズ購入代金とグルメ購入代などなど

この項目のうち、一人当たりのチケット単価を上げる方ですが、これはなかなか難しいですね。値上げはどの業界でもセンシティブな項目です。
ですので、施策としては、初めは安いサポーター席、ゴール裏に来てもらった人を長い目で見て、将来は家族連れの指定席に誘導していく、そして最終的にはメインスタンドの年間シートに移っていってもらうという感じでしょうか。

④買い上げ点数

この項目は小売の方程式から取ったものなので、名古屋グランパスの増収増益にはあまり関係ないですね。無理やりこじつけると、何度も来るコアサポーターに友達を連れて来てもらうことがこの項目に入るような気もしますが、①の現地観戦をする潜在的なサポータ数を増やす施策とも被ります。

以上を踏まえて、纏めますと、

中期的には、認知の向上
具体的には、クチコミ等による幅広いリーチを取っていく、そして、途切れず何度も地元民に地元チームの良さをアピールしてフリクエンシーを増やすこと。

長期的には、スタジアム環境の整備・サッカーの質の向上によるリピート率の改善。具体的には、スタジアム新設、コンセプトのあるサッカー戦略・戦術の構築。

超長期的には、単価の向上。具体的には、観戦歴が長いサポータには、サッカー観戦のスタイルを落ち着いたものに誘導し、チケット単価を向上させること。

こんな感じで如何でしょうか。駄文すいません。m(_ _)m

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2016年5月8日日曜日

UnitedHealth Group Incorporated (UNH) 銘柄紹介2 --ユナイテッドヘルスグループのキャッシュフローと損益分岐。自社株買いを積極的に実施する優良企業

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前回は、「UnitedHealth Group Incorporated (UNH) 銘柄紹介 --米国の医療保険最大手、業績が好調です」で、財務状況を見てきました。
今回は、3期に渡るキャッシュフローの推移と損益分岐点を見たいと思います。


2013年期から2015年期です。
2013,2014と同じようなお金の稼ぎ方、使い方となっています。自社株買いをかなりしていますので、株主にとっては嬉しいところですが、キャッシュインフローの3分の1くらいを自社株買いのキャッシュアウトとしています。
配当金は、配当性向としては相対的に少なめですね。

話はそれますが、株主に報いるキャッシュの使い方として、①自社株買いと②配当というやり方がありますが、ともに意見は別れるところです。互いにメリットデメリットがあって一概にどちらが良いとはいえません。

自社株買いの良いところは、自由にタイミングを図って自社株を買い戻すことができるところ、配当のように税金が取られないところです。ですので、自社の株式が市場で割安で売買されている時には、いいタイミングで安く自社株を買い取ることができ、その分多くの自社株を吸収するため、EPS(一株利益)を高めることが出来ます。一方デメリットは、時間的に自由度がある裏返しとして、株主にいつ実施するというコミットが弱いところがあります。

そして、配当の良い所は、年に数回という時間的なコミット、約束があるところです。経営者から株主へのメッセージになりますよね。デメリットは、やはりなんといっても二重課税。配当は、企業が利益を出し一度法人税として税金を取られた残りから出されます。で株主の手元に着く手前で、配当に課税されます。全く腑に落ちない課税です。

まあ、配当にはこんな決定的なデメリットがあるので、ウォーレン・バフェットはバークシャー・ハサウェイでは一切配当を出していません。自社株買いで報いているのですね。

話を戻します。
2015は、前回の記事でも書きましたが、キャッシュが足りなかったのかどうか、長期の借入金をしています。目的は、詳しく調べていないので分かりません。
キャッシュフローの質ですが、このグラフは玉の大きさが営業キャッシュフロー、横軸が投資キャッシュフロー、縦軸が財務キャッシュフローとなっています。
2013の+--から、2014も同様に+--。2015は借入金をしていますので、+-+となっています。
2015になって、借入金により財務キャッシュフローでキャッシュインして、投資キャッシュフローがキャッシュアウトしています。前回の記事のように固定資産が増えていますので、投資をしているようですね。
最後に、損益分岐点です。
売上が上がって、損益分岐点も高くなっていますが、、固定費が大きく伸びているのが要因となって、安全余裕率が悪くなっています。
ただ、このグラフには具体的な数字は載っていませんが、変動費率は、
73.2%、71.8%、66.1%と下がっていますので、まあ大きな問題はないでしょう。

最後になりますが、当企業は、配当面で見るとそれほど魅力があるわけではありませんが、積極的な自社株買いを実施することもあり、それなりに株主に優しい企業だと思います。また、安定的に成長している優良企業ですので、長く持つことを前提に、安い時に購入するのが良いでしょう。

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2016年5月7日土曜日

UnitedHealth Group Incorporated (UNH) 銘柄紹介 --米国の医療保険最大手、業績が好調です

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当企業は、米国の医療保険では最大手の企業です。業態は医療保険だけでなく、各種ヘルスケアも広く行っています。

業績は右肩上がりで、EPSの推移を見ると、
2012年 5.28
2013年 5.50
2014年 5.70
2015年 6.01
と、じわじわと利益拡大をしています。

UnitedHealth Group Incorporated (UNH) の財務状況ですが、上述のEPSの伸びの通り、売上も伸ばしています。
まずは利益から。2015期の粗利の率が非常に良くなっていますね。営業利益と純利は少し下げていますので、ひょっとすると売上原価から販管費へ付け替えが会った可能性があります。
と言うことで、個別に経費の中身を解いていくと、
       2013 2014 2015
売上原価率 73.2% 71.8% 66.1%
販管費率  18.9% 20.4% 26.9%
となっていまして、2014から2015にかけて、売上原価率は5.7%改善、販管費率は6.5%悪化となっていました。
と言うことで、経費の質は変わらないようです。↓

次に、借金の利払。インタレスト・カバレッジは14倍と問題ありません。
なお、インタレスト・カバレッジ・レシオは営業利益が借入金の利息の何倍あるかという指標になります。そもそも営業利益で利息も払えない、つまり1倍以下の状況だと、負のスパイラルに入ってしまっているので大問題です。
ユナイテッドヘルスは問題無いですね。
借入金は大きく増えていますが、現預金等との相対的な割合で見るとまあ、あまり変化ないので良しとしましょうか。
長期の資金としては固定資産が増えていますね。投資が進んでいるのでしょうか?よく分かりません。

安定的な業績を築き上げていますが、PERは22倍程度。まだ、割安とはいえないでしょう。
もう少し安くなったら購入するのも良いかもしれません。
http://finance.yahoo.com/echarts?s=UNH+Interactive#{"range":"10y","allowChartStacking":true}
株価は、業績を反映して右肩上がりですね。ヽ(^o^)丿

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2016年5月5日木曜日

「ずる 嘘とごまかしの行動経済学」読了 --人間がズルをするパターンを詳細の実験によって検証しています

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当書籍は、行動経済学社のダン・アリエリーが多くの人間に対する実証実験を行い、不正に対する結果をまとめたものです。各章で実験の紹介という形式ですが、各々とても楽しい実験で、また人間の本質がかいま見えるものも多いですので、読み応えがあります。

章立ては以下のとおりです。

序章 なぜ不正はこんなにおもしろいのか
第一章 シンプルな合理的犯罪モデル(SMORC)を検証する
第二章 つじつま合わせ仮設
第二B章 ゴルフ
第三章 自分の動機で目が曇る
第四章 なぜ疲れているとしくじるのか
第五章 なぜにせものを身につけるとごまかしたくなるのか
第六章 自分自身を欺く
第七章 創造性と不正 -わたしたちはみな物語を語る
第八章 感染症としての不正行為 -不正菌に感染する仕組み
第九章 協働して行う不正行為 -なぜ一人よりみんなのほうがずるをしやすいのか
第十章 半・楽観的なエンディング -人はそれほどごまかしをしない!

この本の面白いところは、人が不正をするメカニズム、環境等々を明らかにして、さらに、どんな人でも不正は起こるものだと結論づけていることです。
つまり、不正行為は大胆な犯行ではなくて、普通の人々のちょっとした悪事、しかも本人は心のなかでは正当化してしまうもので成り立っていることを説明しています。

そういう意味では、日常の中でこれくらいは誤魔化してもいいだろう、誰も見ていないしというシーンは多々あると思いますが、それの積み重ねが大きな事象になっているということのようですね。

この本で示される各種実験では、例えば試験の成果としてお金を渡すときに、ズルのしやすい環境を作ったり、衆人の目に触れるシーンを作ったりして、ずるをしやすい要因を突き止めていっています。

この本のいいところは、各種実験で精密にずるの本質を突き止めているところにあるのですが、ちょっと事件の事例提示が多すぎる点もあり、最後まで読むと冗長な感じです。ちょっと結論がぼやけています。

社会科学や行動経済学に興味がある方は一読するのも良いかと思います。

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2016年5月3日火曜日

組入銘柄 2016年4月 --売買なしのため銘柄は変わらず。暴落=バーゲンセール待ちの状態

4月末日の組入銘柄です。
売買をしていないので何も変わってないと思います。
最後に売買したのは、去年の12月に購入した、アムトラスト・フィナンシャル・サービシズ(AFSI)ビザ(V)ですので、かなりの期間、何もしていませんね(笑)。

いつかは中国で何かが起きて暴落が始まると予想していたのですが、
  • 中国株式 悪いながら安定
  • 米国株式 持ち直し
  • 日本 円高
などなど予想つかないことが起きています。
まあ、経済活動を予想するだけ無駄なので、身を委ねるだけですけどね。

タイトルに書いた通り、意図せず急に始まる「バーゲンセール」を待っている状況です。

ここのところ気になった銘柄は、UnitedHealth Group Incorporated (UNH)。米国の医療保険の最大の会社です。業績も安定していて成長しているので、購入候補に入れました。
UNHの分析シートは作りましたので、折を見て分析結果をお知らせしたいと思います。

この銘柄を通じて、米国の医療保険制度「オバマケア」という面白い話題に到達できるのですが、纏まったら記事にしたいと思います。

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2016年5月1日日曜日

名古屋グランパスを経営して看る9 --Jリーグクラブの経費の質を見ていきましょう。人件費はグランパスが1位。ちょっと選手年俸高過ぎのような・・・・

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前回は、「名古屋グランパスを経営して看る8 --2014年度の各チームの財務状況。グランパスはあまり良くないです・・・・、連続赤字と債務超過すれすれ」で、Jリーグクラブの売上の多寡と資産の質を見てきました。
我が名古屋グランパスは、
  • 売上は第3位と多いのですが、経費も多くて赤字転落
  • バランスシートからみる純資産は債務超過すれすれで、毎年の剰余金が積み上がっていない状況
が分かりました。

今回は経費データの内訳を見て、お金の使い方を見ていきたいと思います。
グラフは、経費の積み上げグラフとなっています。経費内訳は、チーム人件費、試合関連経費、トップチーム運営経費、アカデミー運営経費、女子チーム運営経費、販売費および一般管理費。

あと、紫色の横棒は売上ですので、紫色のバーが棒グラフより上にあるチームは利益が出ています。鳥栖が大赤字ですね。
ちなみに、横浜はこの2014年度、特別利益10億円を計上しています。それでいてこの薄利ですから、実際は大赤字となっています。なお、横浜マリノスのホームページでは、「また、日産自動車の支援として実行されたクラブライセンス維持のための特別利益177百万円により、弊クラブの債務超過状態は解消しました。」とあり、金額が違うのが謎ですが。
さて、話を戻します。名古屋グランパスの内訳を見てやはり最初に言及しなきゃいけないのは、チーム人件費でしょうかね。
23億4800万円でJリーグトップとなっています。これだけの費用をかけてこの順位とはちょっと泣けてきます。その他の経費は他のチーム並なので、手を入れるべきはここでしょう。
ただ、選手が資本で成り立っているスポーツのチームですので、変な削減をするとすぐにチーム成績に響いていしまうリスクは有ると思います。選手補強はチームの最大の肝で、素人の私が言えるものでもありませんが、せめてもう少し効果的な補強をして頂けると助かる次第です。

話は変わりますが、グラフを見るとほとんどのチームが薄利、もしくは赤字経営ですね。会社経営はとにかく安定が大事ですので、安定的な収入の確保、安定的な経費支出、そして安定的な利益確保が望まれます。
利益を積み上げて剰余金を厚くできれば、チームの不意な不調でも期中の選手補強等、いろいろな選択肢が採れます。
名古屋グランパスは順位的にいつも真ん中にいて、「万年中位」、「中位力」などと揶揄されますが、こんな安定感は意外と経営の努力が効いているのかもしれません。そこそこの都市でスポンサーが多い(収益面、広告)、そこそこの都市でそこそこの観客動員(収益面、入場料)、少し過剰だがそこそこの選手補強(経費面、人件費)等々、だいたいの面でそこそこ出来ていますので、あとは順調に剰余金を積み上げて、チームの危機に対処できるようにしてほしいところです。

さてさて最後に、こんな安定感では、サポータの皆々は納得出来ないとは思います。しかしながら、いい面も多く持ったチームですので、長い目でクラブチームを見ていきたいですね。我が街のチームを楽しく見守っていきたいと思います。

画像は公式からお借りしています。

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