前回は、「名古屋グランパスを経営して看る8 --2014年度の各チームの財務状況。グランパスはあまり良くないです・・・・、連続赤字と債務超過すれすれ」で、Jリーグクラブの売上の多寡と資産の質を見てきました。
我が名古屋グランパスは、
- 売上は第3位と多いのですが、経費も多くて赤字転落
- バランスシートからみる純資産は債務超過すれすれで、毎年の剰余金が積み上がっていない状況
が分かりました。
今回は経費データの内訳を見て、お金の使い方を見ていきたいと思います。
グラフは、経費の積み上げグラフとなっています。経費内訳は、チーム人件費、試合関連経費、トップチーム運営経費、アカデミー運営経費、女子チーム運営経費、販売費および一般管理費。
あと、紫色の横棒は売上ですので、紫色のバーが棒グラフより上にあるチームは利益が出ています。鳥栖が大赤字ですね。
ちなみに、横浜はこの2014年度、特別利益10億円を計上しています。それでいてこの薄利ですから、実際は大赤字となっています。なお、横浜マリノスのホームページでは、「また、日産自動車の支援として実行されたクラブライセンス維持のための特別利益177百万円により、弊クラブの債務超過状態は解消しました。」とあり、金額が違うのが謎ですが。
さて、話を戻します。名古屋グランパスの内訳を見てやはり最初に言及しなきゃいけないのは、チーム人件費でしょうかね。23億4800万円でJリーグトップとなっています。これだけの費用をかけてこの順位とはちょっと泣けてきます。その他の経費は他のチーム並なので、手を入れるべきはここでしょう。
ただ、選手が資本で成り立っているスポーツのチームですので、変な削減をするとすぐにチーム成績に響いていしまうリスクは有ると思います。選手補強はチームの最大の肝で、素人の私が言えるものでもありませんが、せめてもう少し効果的な補強をして頂けると助かる次第です。
話は変わりますが、グラフを見るとほとんどのチームが薄利、もしくは赤字経営ですね。会社経営はとにかく安定が大事ですので、安定的な収入の確保、安定的な経費支出、そして安定的な利益確保が望まれます。
利益を積み上げて剰余金を厚くできれば、チームの不意な不調でも期中の選手補強等、いろいろな選択肢が採れます。
名古屋グランパスは順位的にいつも真ん中にいて、「万年中位」、「中位力」などと揶揄されますが、こんな安定感は意外と経営の努力が効いているのかもしれません。そこそこの都市でスポンサーが多い(収益面、広告)、そこそこの都市でそこそこの観客動員(収益面、入場料)、少し過剰だがそこそこの選手補強(経費面、人件費)等々、だいたいの面でそこそこ出来ていますので、あとは順調に剰余金を積み上げて、チームの危機に対処できるようにしてほしいところです。
さてさて最後に、こんな安定感では、サポータの皆々は納得出来ないとは思います。しかしながら、いい面も多く持ったチームですので、長い目でクラブチームを見ていきたいですね。我が街のチームを楽しく見守っていきたいと思います。
画像は公式からお借りしています。
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