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お金の手段として役割を把握することで、投資の目的、なんのために投資をやっていたかを確認できればと思っています。
お金を役割によって、消費と節約と貯蓄と投資と借金と保険と寄付の7つくらいに分類できます。お金はその時々でいろいろ形を変えていきます。シームレスな概念ですね。
これらのお金の役割を、目的、特徴、効用、時間軸の観点で分類したいのが上述の図です。
■収入
この世の中、稼がないと生きていけませんので、皆さん何らかの手段で収入を得ています。ということで、目的は生活維持。お金の現在・過去・未来でいうと現在の話になります。この状況ですとお金は今ここに存在している状況なので、増えたり減ったりはしません。
■消費
得た収入でモノやサービスなどを購入します。
こちらも現在の話です。
お金はあったに越したことはないのですが、消費はすればするほどその気持的効果が薄れていくのが特徴です。効用が逓減するといいます。生活維持のための消費は最低限必要ですが、贅沢のための消費はどんどん効果が薄れてしまうということですね。
儚い(はかない)ですね。
こういう側面があるため、全宅としてお金を使うことが少し敬遠されているのだと思います。
■節約・貯蓄
節約して、貯蓄することは、目的は備えになります。未来の不確実に対応するためにストックしておくということです。時間軸は未来。
お金というか、貨幣の機能として、「価値貯蔵」というのがありますが、お金は腐りませんので将来に備えることができるわけです。物々交換の昔でしたら、腐るものはどんどん劣化していってしまいましたので、お金で貯蔵、未来に備えるというのはとても重要な機能になります。
■投資
こちらも目的は時間軸です。ただ、節約・貯蓄と違うのは、成長するということ。もちろん減ったりもします。後で話しますが、資本主義の中心的役割ですので、お金を得るという目的に対しては、収入と大きく違うわけです。
■ローン・借金
こちらは、投資の反対側になります。未来についてお金を使う方の話です。ほとんどの皆さんは収入の範囲でお金を使っていきますが、どうしても大きな買い物になりますと、将来のお金を先使いする必要があります。
■保険
保険は将来の備えです。時間軸は未来に向いていますが、こちらは不測の事態に備えて、お金を掛けておくという行為です。
悲しいのは、その効果を得られるときは、不測の事態、つまり不幸な時であるということです。
■寄付
寄付は不思議な行為です。直接的に約束されたリターンはありません。それでも、人によっては大きな効用を得られる行為です。
人間としての根源的な、世の中のためになりたい、人のためになりたいという自己犠牲の感情がベースになっています。
■7つの関係性、2項対立でくくる
以上の7变化のお金をいくつかの観点でグルーピングしてみましょう。
(資本主義観点)
資本主義では、資本家と労働者という2項対立の概念があります。
収入を得るのは労働者的、投資によってリターンを得る行為は投資家的であると思います。
(未来のお金を・・・)
未来は不確実です。予測不可能であります。
この状況で、未来にお金を貸し出して、リターンを得るのが投資、貸してもらうほうがローン・借金となります。ちょうど逆の行為です。
できる限り貸し出してお金に働いてもらったほうが良いですね。
(未来への備え方)
節約・貯蓄と保険はともに未来への備えになります。ただ、違いは、自分のお金で備えるかどうか。自分だけの力で備えるのが、節約・貯蓄。人の力を借りて、つまり多少お金を上乗せして多くの人の互助会的要素で未来に備えるのが、保険となります。
(未来への期待、直接or間接)
将来へのリターンを期待してお金を預けていくのが、投資や寄付となります。しかしながら、直接的なリターンを期待するのが投資、間接的なリターン、回り回って帰ってくることを気多するのが寄付です。もっというと寄付はリターンなんかは期待していないかもしれませんね。
■最後に
お金というのは物理的には紙幣やコインとして目の前に存在していますが、その役割は多岐に渡ります。
これらの意味や目的を踏まえて、適切に働かせたいですね。
ワタクシゴトですが、2018年5月に本を出版しました。
「株は「ゲリラ豪雨」で買い、「平均気温」で儲ける!」
amzn.to/2G1VtGw
ビジネス社さんより出していただきました。
- お金には目的や役割によって、7つほどに分類される
- 各々の、目的や効用、時間軸的意味を理解しよう
- 2項対立の概念もあり、適切にお金に働いてもらおう
- 経営者と経営コンサルタント、投資家と投資コンサルタント --似て非なる、全く非なる人種について
- 情報の非対称性を利用する方法 --福島瑞穂的フリーライド(タダ飯喰い)を見つけて、逆の投資法を考えてみる
- オーナーと経営者の違い --結局どっちが偉いの!資本家と労働者、オーナーと社長、作曲家と歌手、球団オーナーと選手などなど
- 「具体と抽象」読了 --具体的な事を言う人と抽象的な事を言う人は言葉が噛み合わない。レイヤーの高い抽象化を行いながら具体的事例を検証していこう!
- 労働者には不利なルールの資本主義、資本家への転身をオススメ --広瀬さんのマーケットハックと同じ結論を得た!
- 新しい働き方提案(広瀬さんのマーケットハックから) --自分の働き方を少しずつ変えていきましょう。時間をかけて自分の人生をあるべき姿に変えていくのです。^_^
- 副業をするという事とそこから見通せる未来 --広瀬隆雄さんのブログから見るサラリーマンの未来のために
- ピーター・リンチのカクテルパーティ理論と暴落後の出来事 --お店で目撃したカクテルパーティ理論とその後の株価調整に対する人の噂・反応について
- 上がる株ほどよく上がる、という株式投資のカラクリ --やってみるとよく分かる3つの法則
- 投資法の変遷 --失敗から学ぶ投資方法、短期・中期・長期?、テクニカル・ファンダメンタルズ?
- テクニカル投資法について --人間のパターン認識と心理で間違いを起こす3つの理由
- NISAの具体的な活用法 --活用が難しい税制をうまく使い切る3つの戦術
- 「株で富を築くバフェットの法則最新版 不透明なマーケットで40年以上勝ち続ける投資法」 読了 --Warrenの苦悩と凄さがリアルに分かる本
- 情報の非対称性を利用する方法 --福島瑞穂的フリーライド(タダ飯喰い)を見つけて、逆の投資法を考えてみる
- 米国市場の歴史から見る物価上昇と株価の関係 --インフレに強い資産を持つには
- 「勝ち抜け! サバイバル投資術」 読了 --ピンチを乗り切り資産10倍を目指す方法
- TPPとその価値、反対派の感情を考える --開国をするとメリットが享受できるのだが、なぜ人はそれを拒否するのか?
- ロシア売り、暴落の事例検証 --戦争等の不確実性が上がることによる資金の引き上げ
- アルゼンチンのデフォルトの検証 --国的にダメな時もあるが、投資すべきか?
- 白元倒産の経緯 --倒産に至るまでの3つのポイント、無理な事業はどこから歯車が狂うのだろう?
- 石油や金、つまり商品への投資について --投資すべき対象となりうるか?金利を産まないコモディティ投資について
- 「大暴落 1929」 読了 --暗黒の木曜日の歴史的書籍。淡々と記述される阿鼻叫喚の当時の様子
- 「国債の歴史―金利に凝縮された過去と未来」再読 --400年に渡る国債の歴史から読み取る日本の現状
- 書籍のご紹介 --投資、経済、ビジネスの本 -経済学基礎から偉大な投資家まで