出版記念イベント@東京 渋谷
もうひとつの大切なお金の使い方!?『寄付をしてみよう、と思ったら読む本』
4月4日(木) 19:00〜20:30 (受付開始時間 18:30)
https://www.commons30.jp/seminars/detail/794
Twitterもフォローお願いします → fairvalueinvestment @fairvalue_i
このブログのfacebookページはこちら→ Fair Value Investment 公正価値投資
今回のイベントでは、出版のタイミングでほんの紹介という形でテーマが設定されていますが、寄付という行為について幅広く話題提供されました。
寄付を投資信託を通じて実践されている渋澤健さん、寄付をファンドレイジングという視点から実践されている鵜尾雅隆さんのお二人から、リアルなお話を聞けました。
早く着いてしまいましたので、目の前の席と相成りました。
総勢は10名ほどのこじんまりした会でした。
進行役は、コモンズ投信の馬越さんです。
さあ、スタート。
はじめは自己紹介から。
澁澤
コモンズ投信は、日本に長期投資を根づかせたい。
寄付は、長期投資そのものである。寄付は自分自身には戻ってこないが、将来の世の中に出資をしている。
新しい世の中のお金の流れを作りたい。
鵜尾
ファンドレイジング協会は、寄付で世の中を変えることをしたい。税金だけでは難しい。
寄付の受け手側もしっかりさせたいという想いから、ファンドレイザーに関する仕事を立ち上げた。
ファンドレイザーという職業は、米国では30位に入るくらいの職業である。
寄付というのは、「喜捨」とは違う。未来に投資をすること。このところ、投資的な寄付が流行ってきているので、この流れを大事にしたい。
未来を選択する寄付を実現したい。
馬越(司会)
いま世の中では、学びを求められている。
そのような中で、なぜこの本を出版することになったのか?
澁澤
お金の稼ぎ方はたくさんあるが、お金の使い方の本はあまりない。
長期投資の本を出したときに、寄付のことも考えるようになった。
鵜尾
寄付者の方に向き合う本がなかったため。
お金を稼げば幸せなのか?それだけではないはず、投資と寄付の関係を明らかにしたい。
澁澤
幸せ度調査で、日本は相対的に低い。「寄付をしましたか」、という項目で90位台にとどまってしまっている。
日本に寄付文化を作りたい理由である。
鵜尾
寄付文化ができている状況というのは、誰かを応援している状況である。
寄付は、幸せ感の効用が高い。ここが大事なところである。ステーキを1万円分食べても明後日には忘れてしまうが、寄付はずっと心の中に幸せが残り続ける。
また、寄付を公言することが良い雰囲気にもなってきた。自分らしく社会貢献がやりやすくなってきた。
馬越(司会)
スポーツ選手でも、公言する人も多くなってきたように感じます。
では、そもそもなぜ寄付が必要か?
澁澤
利他という考え方がある。ある会社の方と面会したときに、その会社の理念が、まさしく利他であった。人類が社会を作れたのは、利他があったから。
利他には、「時間軸」「未来軸」がある。先を見据えて、持続的に投資をすることが重要。
あと、「自由」という観点も重要である。寄付先など、自分がやりたいことを自由に実現できる、自分のお金を自由に使う観点が重要である。
鵜尾
利己と利他は、時間軸を合わせるとセットになる。
人間そもそもどうして幸せになるのか。
4つ大事な要素がある。①やりたいことをやる、②つながりで感謝する、される、③なるようにる、④ありのままで良い
とくに、②③④の雰囲気感が重要である。
日本は高度成長していて、弱者を養っていけた。
これからはなかなか、高度成長はしないため、弱者は多くなる。お金の奪い合いは良くない。寄付が重要。
寄付は思いが入るために、パワーが違う。お金の単位以上の力を秘めている。
寄付受益者もやる気が出る。変化が出やすい。
澁澤
時間軸の考え方、そこが長期投資そのものである。
現在、日本には現預金が960兆円もある。1万円札で積み上げると1兆円は10kmにもなる。その960倍、9600kmもの高さになってしまうほどの現預金があって、投資されていないため、お金が死んでしまっている。
馬越(司会)
次に教育の話です。子供は現金をもらうと、貯金しだします。もう少し、貯金→投資の考え方も教育したい。
鵜尾
お金の教育が良くない。進んでいない。
お金で自分がどう幸せになるかが重要な観点。
馬越(司会)
4つのお金の使い方がある。
①使う、②貯める、③投資、④寄付。
寄付先、投資先を自分の考えで決めていくことで、社会に主体的に関わることに繋がり、自分自身の理由をもつことで、さらに長期的な思いにもなる。
澁澤
馬越さんの言うように、主体性が非常に大事である。
英語でも、自分のことは、meのことになるが、それを続けることで、mがひっくり返って、w。weになる。
鵜尾
me-we感は良い。
共感力が重要である。お金の活かし方の教育が重要。
先日出版された、村上さんの本にも最後は寄付のことが書いてある。
馬越(司会)
村上さんも、お金の循環性を重要視していた。
子どもたちの中ではまだ、お金持ちのイメージは悪い人という感じなってしまっている。
澁澤
これまではお金持ちのロールモデルがなかった。
鵜尾
ちなみに、米国の財団の半分がファミリー財団である。ほとんどが1億円もないくらいの規模の財団である。
日本も楽しい感じの財団を作って欲しい。
今でも一部の日本のファミリー財団をフォローしているが、とても楽しそうにやっている。
澁澤
日本には、米国のようなコミニティー財団がない。
マンション経営的に財団を作って、一部を寄付に回していくような文化を作っていきたい。
まずは、ストック作りから始めてもらいたい。
馬越(司会)
お金が溜まったらやろうという人が多い。そしてお金では絶対失敗したくないという考えがある。
ただ何事も失敗しないということはないから、早くから慣れることは必要ではないか。大人になってから、いきなりお金とのつきあいが始まると大きな失敗になってしまうことも。特に定年後など大きなお金を抱えてから考えるのは危険かも。
鵜尾
寄付教育は、自分の価値観でよい。達成感を得たい。
現状では、寄付教育が変である。ボランティア教育も変である。小学校でも寄付というとお金を集める話から始まってしまっている。逆になっている。
澁澤
これまでは正しい答えを出す教育だった。正しい答えがあるものは、AIが代替してしまう世の中にもなっていく。
今後は、答えのないことがあることを教育して行く必要を感じる。そうすると、正しい問題設定が大事。考える事が必要。
問うことを学ぶ。学問と教育の違い。育てることが大事。想像力、飛躍することが大事。
こんな話題提供が約1時間に渡ってされました。
お二人の巧妙なお話がとても楽しかったのと、馬越さんのうまい仕切が印象的でした。
最後にいくつかの質疑応答が。
一人目の質問者
寄付をして怒られたことがある。
募金活動が怪しい人がいるのは如何でしょうか?
鵜尾
街頭募金は相手がわからないことがあるので、気をつけて。
ただ、やり方は自由。
日本ではオープンな墓所で寄付体験を話している機会が少ない。
二人目の質問者
寄付を集める側で、信用されないところもある。世の中の理解が少ない。警察など。
法整備はどう進みそうですか?
鵜尾
イギリスのチェックの仕組みも、民間が行っている。チェックマークグループ。
馬越(司会)
逆に質問ですが、街頭募金という手段を何故使っているのですか?
質問者
人が集まるところがやはりやりやすい。伝わりやすい機会になっている。
澁澤
子供が並んでいる募金は、やや引いてしまう。街頭募金以外の方法もあるので。
鵜尾
確かに共同募金は認知に役立っている、という側面はある。
馬越(司会)
寄付先選びの正解はないと思うが、どのように寄付先を選べばよいのか。
澁澤
直感かな。
3人目の質問者
日本人がお金で損をしたくない、となったのは?損得信仰があまりにも強いからなのでは。
澁澤
時間軸においては、その時々の損得ではないはず。長い目で見てほしい。
人生では最後は死ぬ。そう考えると結果的に損得という概念より、その途中のパスが大事。そういう意味では、すべての経験に損はないはず。気楽にやっていきましょう。
鵜尾
人間は得をしたいと考えるが、そもそもなにを持って得となるのか?
自分のパラダイム変換が大事。寄付でほのかに幸せを感じられるのかどうかが重要になってくる。
最後にヒトコト
澁澤
未来を信じる力を持とう。足し算が掛け算になる。
鵜尾
寄付は、「信じて」「託す」行為
日本社会の変え方としては、議論するべき、理念型社会にするべき。
日本は実体験社会。それを体験すると一気に雰囲気が変わる。
未来の変化を考えよう。
ワタクシゴトですが、2018年5月に本を出版しました。
「株は「ゲリラ豪雨」で買い、「平均気温」で儲ける!」
amzn.to/2G1VtGw
ビジネス社さんより出していただきました。
この記事のまとめ:
- 渋澤健さん鵜尾雅隆さんの、出版記念イベントに参加
- 寄付の意義についてのトークショーで勉強になった
- これから日本の将来に於いて、寄付文化の重要性を認識
- 世の中のために寄付をやってみよう1 --住宅ローン完済に伴い人生の目標としていた寄付を実行に。ただ、寄付先ややり方でいろいろ思案中です
- 世の中のために寄付をやってみよう2 --24時間テレビの日本テレビは寄付しても、寄附金控除が受けられないって知ってた?24時間テレビチャリティー委員会とは?
- 初めての寄付1 --児童養護施設への寄付を実行に移してみました。寄付に至るまでの道のりを纏めました。ヽ(^o^)丿
- 初めての寄付2 --寄付金控除の仕組みを理解しよう。寄付金控除は使徒がわかりづらい税金をコントロールして、自分の寄付先に振り向ける行為
- 2年目の寄付3 --2017年度は寄付を始めて2年目。昨年に引き続き、孤児院への寄付を実施。寄付金額は倍に!さらにJビレッジにも少額を寄付してみた。
- 「生涯投資家」読了 --村上ファンドを率いた村上世彰さんのおそらく最後の著作。昔の事件から投資に対する思いまでが細かく記載されています!
- ラベル 寄付 の投稿
- 街角経済1 記事連載開始について --街に出て世の中の動きを感じ取ってみよう!街中ランニングをしながら見る経済活動
- 街角経済2 田中真紀子邸を見て、税金を考える --相続税とその規模感について。物納となった田中邸、今は公園
- 街角経済3 ウォルマートがブラックフライデー特売をしない! --近所の西友とその他のスーパーマーケットを比べてみた
- 街角経済4 造幣局を訪れてマネーストックを考える --今の日本は流動性の罠の真っ最中?
- 街角経済5 ランニングの道具を仕入れました --合わせてビクトリアスポーツなどスポーツ用品店業界の状況を
- 街角経済6 巣鴨界隈を走ってきました --豊島区は特別、高齢者が多いわけではないですよ~
- 街角経済7 紳士服はるやま(7416)の株主優待を使ってみた --紳士服業界で第4位のシェア、熾烈な競争業界の実態
- 街角経済8 沙羅双樹の花の色を見てきた --投資は「盛者必衰の世界」であることをきちんと認識しようヽ(´ー`)ノ
- 街角経済9 富国強兵の頃の経済人を訪ねて --飛鳥山の渋沢栄一記念館と旧古河庭園
- 街角経済10 始まってないのにオワコンの街、新大久保を訪ねて --さらに昭和のスナック街・新宿ゴールデン街
- 街角経済11 100円ローソンが苦戦している一方、まいばすけっとが好調 --小売業の出店はほんとうに難しい!!戦略が与える影響について
- 街角経済12 文化の街 文京区を走り抜けてみた --夏目漱石 坊ちゃんの清の墓を訪ねました
- 街角経済13 東証で行動ファイナンスの話を聞いてきた --真壁昭夫教授のセミナーに参加しました
- 街角経済14 東証でポートフォリオ理論の話を聞いてきた --浅野幸弘名誉教授のセミナーに参加しました
- 街角経済15 六義園で和歌の心を感じてきた --風流な庭園と紅葉と外国人の観光客
- 街角経済16 沙羅双樹の花の移ろいを投資に活かせるか --敗者に焦点を当てる平家物語の面白さ
- 街角経済17 FリーグとJリーグを同日観戦してきた --規模感の違いによるサッカーの地元志向と文化
- 街角経済18 ランニングして近藤勇の墓を見てきた --板橋駅前には「近藤勇 最期の地」と言うことで墓があります
- 街角経済19 オーダースーツ専門店対決 --グローバルスタイルと麻布テーラーで実際にスーツをオーダーしてみた
- 街角経済20 アメリカンイーグルアウトフィッターズ --財務分析に合わせて池袋の旗艦店を見てみる
- 街角経済21 投資と健康 --電動歯ブラシと糸ようじを使ってみる。何のために投資をしているか改めて考えてみよう!ヽ(^o^)丿
- 街角経済22 シェイクシャック潜入レポート --日本第3号店の有楽町店は、平日夕方でも激混みだった。株主の私としてはもっともっと世界に出店して欲しい!ヽ(^o^)丿
- 街角経済23 出版の街を歩いてみる --人生目標の本の出版のスタートラインに着きました。出版社が集まっている、東京の飯田橋、江戸川橋界隈を回りました。(*^^*)
- 街角経済24 --兜町でセゾン投信中野晴啓社長、塚崎公義教授、岩城みずほさんのサムライズプロジェクトに参加してきた。ヽ(^o^)丿
- 街角経済25 「日本橋川」を上流から下流まで散策してみよう! --東京大神宮から始めて最後は富岡八幡宮まで。6時間歩き続けた69箇所の東京名所巡り
- 街角経済26 岩城みずほさんのサムライズ勉強会に参加してきた --龍谷大学 竹中正治教授の資産形成のお話。米国株式定額積立投資が最強の理由!ヽ(^o^)丿
- 街角経済 27 岩城みずほさん主宰のCリーグに参加 --ゲストに金融アナリストの山崎元さん登場。「意外かもしれないけれど大切な」10の運用常識
- 街角経済 28 村上世彰さんの出版記念セミナーに参加してみた --「生涯投資家」について。
- 街角経済29 岩城みずほさんのサムライズ勉強会に参加してきた --日本経済新聞社の田村正之さんの年金のお話。
- 街角経済30 岩城みずほさんのサムライズ勉強会第30回の記念会に参加してきた --「人生100年時代の個人の資産形成と出口戦略」
- 街角経済31 超面白い演劇と歩いて池袋界隈を見てきた --東池袋から南池袋、西池袋、落合、目白界隈を歩いてみました。ヽ(^o^)丿
- 街角経済32 IFRSの委員の方からお話を聞いてきた--不確実な未来の量を計算書類、財務諸表に反映する難しさ
- 街角経済33 猛暑の中、雑司ヶ谷霊園まで走ってみた --稀に見る酷暑なので熱中症寸前の限界を探ってみました。(^^)
- 街角経済34 高橋是清とシェイクシャック --時代の移り変わりを感じることができる青山界隈を散策。明治の青山と昭和・平成の青山を満喫してみましょう!(^^)/
- 街角経済35 Cリーグに参加してきた --有名ブロガー、虫取り小僧さんの回を聞いてきました。「キャッシュフローをプラスに!んで、投資は気楽に継続を」。ヽ(^o^)丿
- 街角経済36 南池袋公園 --初冬のいい感じの公園の季節感とおしゃれなカフェの人の入りについて。(*´∀`)
- 街角経済37 西巣鴨橋 --ついに工事が始まりました。歩道が思いっきり車道に接していたりしたので、少しの期間の我慢ですね。
- 街角経済38 FX投資と株式の長期投資 --年末のFXパーティで感じたこと。変な感じの人が多かった。儲かっている人いるのかな?
- 街角経済39 サムライズ勉強会に参加してきた --「人生100年時代の正しい資産形成と保険について考える」。6人の講師の方々の多様な意見が面白い!
この記事は参考になりましたか?
少しでも参考になればSNSでシェアしてもらうと嬉しいです。
↓ ↓ ↓
0 件のコメント:
コメントを投稿