■この本の特徴と章立て
ある意味地味な装丁からは想像がつかないほど、お金との付き合い方について幅広くテーマを扱っていて、さらに解説も他の本にはない分かりやすさとなっています。
章立ては、
序章 「老後資金2000万円問題」を正しく理解する10のポイント
第1章 人生設計の基本公式の仕組みと使い方
第2章 人生設計の基本公式を使って、必要貯蓄額を計算する
第3章 シンプルで正しいお金の増やし方
となっています。
テーマの流れとしては、人生設計の基本をベースに少なくともあなたの人生に必要な貯蓄額を把握して、ある意味安心感を得るとこから始まります。そのうえで、より効率的な貯蓄方法を模索していきます。
■公的年金
この安心感を得る所で、大事な話が展開されます。それは、公的年金の話。実は日本は、公的年金のカバー具合が手厚く、普通にしていれば老後も最低限の生活ができるようになっています。
しかしながら、制度が複雑化しており、なかなか理解ができない状況です。なかなか将来のお金について、実感が湧かない状況です。
当書籍は、年金の解説書としても的を射た解説になっていますし、またシンプルで非常に分かりやすいものとなっています。私も今まで、お金に関する本はかなり読んできたのですが、これほど分かりやすいものはそうそうありません。この章(第2章)では、事例も豊富にありますので、自分ごととして将来像を捉えることが可能になっています。
■人生設計の基本公式
序章でベースとなる公的年金の話があった次には、いよいよお金をためていく話が展開されます。
山崎さん、岩城さんが開発された「人生設計の基本公式」を使い、簡単に現在必要な貯蓄額、貯蓄率を得ることができます。この公式は、現在の資産額や引退後の老後年数などを入れることにより簡単に計算できます。
この公式から具体的な貯蓄額を把握すると、気持ち的な安心感を得ることができます。なぜなら、漠然と持っていた未来への不安が数値化できるからです。現在、お金を使いすぎな人は節約に向けて具体的な行動に移せますし、十分な貯蓄ができている人は過度不安から無理な節約をすることもなくなるからです。
■投資
最後は、お金の増やし方の話。投資になります。
私のように、楽しみニデ投資をしている人は除いて、普通の日本人は過度な投資は必要ありません。
そのために、公的年金の理解をしてきましたし、人生設計の基本公式で貯蓄額を把握しました。
当書籍では、インデックス投資による分散投資、手数料の小さな商品の紹介を中心にしています。また、税金を減らすことができる、iDeCoやNISAの積極的利用も勧めています。
また、三大ダメ商品として、絶対買わないようにしたほうが良い商品も説明してくれてます。このあたりは山崎さんの色が出ていて面白いですね。
■最後に
この書籍は、大きく見て、今後の貯蓄や投資に不安がある方、公的年金は理解したい方にはうってつけの本です。
将来のためにも、一度手に取って読んでみてはいかがでしょうか?
ワタクシゴトですが、2018年5月に本を出版しました。
「株は「ゲリラ豪雨」で買い、「平均気温」で儲ける!」
amzn.to/2G1VtGw
ビジネス社さんより出していただきました。
この記事のまとめ:
- 経済評論家の山崎元さん、独立系ファイナンシャル・プランナーの岩城みずほさんの共著
- 公的年金、必要貯蓄、投資について丁寧に解説
- 「老後資金2000万円問題」が話題の今、手にとってみたい本
- 書籍のご紹介 --投資、経済、ビジネスの本 -経済学基礎から偉大な投資家まで
- ラベル 書籍 の投稿
- ピーター・リンチのカクテルパーティ理論と暴落後の出来事 --お店で目撃したカクテルパーティ理論とその後の株価調整に対する人の噂・反応について
- 上がる株ほどよく上がる、という株式投資のカラクリ --やってみるとよく分かる3つの法則
- 投資法の変遷 --失敗から学ぶ投資方法、短期・中期・長期?、テクニカル・ファンダメンタルズ?
- テクニカル投資法について --人間のパターン認識と心理で間違いを起こす3つの理由
- NISAの具体的な活用法 --活用が難しい税制をうまく使い切る3つの戦術
- 「株で富を築くバフェットの法則最新版 不透明なマーケットで40年以上勝ち続ける投資法」 読了 --Warrenの苦悩と凄さがリアルに分かる本
- 情報の非対称性を利用する方法 --福島瑞穂的フリーライド(タダ飯喰い)を見つけて、逆の投資法を考えてみる
- 米国市場の歴史から見る物価上昇と株価の関係 --インフレに強い資産を持つには
- 「勝ち抜け! サバイバル投資術」 読了 --ピンチを乗り切り資産10倍を目指す方法
- TPPとその価値、反対派の感情を考える --開国をするとメリットが享受できるのだが、なぜ人はそれを拒否するのか?
- ロシア売り、暴落の事例検証 --戦争等の不確実性が上がることによる資金の引き上げ
- アルゼンチンのデフォルトの検証 --国的にダメな時もあるが、投資すべきか?
- 白元倒産の経緯 --倒産に至るまでの3つのポイント、無理な事業はどこから歯車が狂うのだろう?
- 石油や金、つまり商品への投資について --投資すべき対象となりうるか?金利を産まないコモディティ投資について
- 「大暴落 1929」 読了 --暗黒の木曜日の歴史的書籍。淡々と記述される阿鼻叫喚の当時の様子
- 「国債の歴史―金利に凝縮された過去と未来」再読 --400年に渡る国債の歴史から読み取る日本の現状
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