竹川さんとはご面識を頂く前に、竹川さんが共著されている、
「「投資の鉄人」読了 --4名の投資アドバイザーの方々のフェアな長期投資実践本。あなたを迷わす罠のカラクリを解いてくれます」
を読まさせていただいていて、おこがましいですが書評もさせていただいていました(リンク)。
■章立ては?
序章 知ることで不安は払拭できる
第1章 公的年金は長生きリスクに備える最強の保険
第2章 意外と知らない退職給付(退職金・企業年金)制度
第3章 人生を通してお金をふやし、楽しく使うための「管理術」
第4章 非課税制度を活用!自分でも老後資金を準備
第5章 公的年金や企業年金、iDeCoの資産をどう受け取ればよいか
第6章 「自分で準備」してきた分をどう引き出すか
■年金ってそもそも何?
この書籍の丁寧なところですが、まずは体系や定義をきちんと説明している点です。
そのそも皆さん年金って聞いて、なに?と思うと思います。
この書籍では、年金の正体・本質である、公的年金と企業における年金を分けて話した上で、その管理方法や有利な使い方を具体的に説明してくれます。
皆さんが漠然と思っている、老後の苦労やそのために貯めているお金の本質を、この本で知りましょう。
■社会保障が手厚い国に生まれて!
第1章は、公的年金の部。
実は日本は(実はと言うほどでもないですが)、世界的にも社会保障が非常に手厚い国です。日本以上となると北欧の3国くらい。
※画像は国税庁さんからお借りしました。
上の図は、少し古いですが、日本国の国家予算の歳出の内訳です。
社会保障費がほぼ1/3を占めています。国債の返済などの国債費(ある意味未来のお金を使った返済分)を除くと、皆さんの税金の半分近くが、皆さんの将来の保障に使われています。
社会保障費は、大きく分けて、「医療」、「年金」、「福祉」、「介護」、「生活保護」などの費用になりますが、今回の竹川さんの本では、この年金部分の話になります。
第1章では、この年金の構造を具体的に説明しています。
日本国民全員が関わる重要な章なのできちんと読みましょう。特に有利に払う、有利に受け取る点を事細かく解説していますので、大いに勉強になります。
■退職金も年金の一種
第2章は、退職金。
私は会社の財務部にいたこともあり、退職金制度についてはそれなりの知識があります。しかしながら、このような境遇でもなければ、ほとんどサラリーマンが退職金について漠然としか分かっていないのではないでしょうか。
退職金制度は国の法律で定められた制度ですので、企業における積み立て方や積立限度などは厳格に定められています。
また、各職員は契約によって退職金制度の有無、制度自体が変わってきます。ここは皆さん、今一度自分の会社の制度を確認しましょう。
その上で、この本の第2章を読むと非常に勉強になると思います。
企業は、第1章の公的年金における2階建て部分である厚生年金を半分負担しています。
そして、給料の後払いという概念で、退職金も積み立てています。
この章では、確定給付年金、確定拠出年金などの解説があります。じっくり読みましょう。
■今のお金の管理は?
第3章は、お金の管理方法。
この章の内容は、比較的他の本でも見受けられる内容です。
しかしながら、BS(バランスシート、貸借対照表)、PL(損益計算書)に準じた管理方法を示しており、なかなか素敵です。
私も、マイブログ「家計簿のすすめ20 我が家のバランスシートの推移 --2019年は株式市場が好調なため、金融資産、純資産が伸びました。\(^o^)/」のように、20年以上BSを作ってきたので、非常に納得がいく章でした。
■制度はとにかく有利に
第4章、第5章、第6章は、各種制度の有利な使い方。これをひたすら具体的に示してくれています。
必読です。
引き出し方(受け取り方)の具体例は、実際にその年齢になった方にはかなり嬉しい内容なのではないでしょうか。
私はこの章を読んで、その歳になったら、誰かに相談しようと思いました。なぜならかなり難しいから。
この本を読んで、この難しさに触れられたのは良かったです。
今のうちから相談できるファイナンシャルプランナーと友達になっておこうと思った次第です。笑
■最後に
当初席の特徴は、年金を中心に老後のお金の扱い方を幅広く取り上げていること、そして、より具体的な事例でわかりやすく書いていることです。
制度は知っていてなんぼですから、この書籍でリテラシーをあげて素敵で豊かな人生を作っていきたいですね。
ワタクシゴトですが、2018年5月に本を出版しました。
「株は「ゲリラ豪雨」で買い、「平均気温」で儲ける!」
amzn.to/2G1VtGw
ビジネス社さんより出していただきました。
この記事のまとめ:
- ファイナンシャル・ジャーナリストで活躍されている竹川美奈子さんの最新著作
- 年金を中心に老後のお金の扱い方を解説
- 幅広い内容、具体的な事例が特徴
- 書籍のご紹介 --投資、経済、ビジネスの本 -経済学基礎から偉大な投資家まで
- ラベル 書籍 の投稿
- ピーター・リンチのカクテルパーティ理論と暴落後の出来事 --お店で目撃したカクテルパーティ理論とその後の株価調整に対する人の噂・反応について
- 上がる株ほどよく上がる、という株式投資のカラクリ --やってみるとよく分かる3つの法則
- 投資法の変遷 --失敗から学ぶ投資方法、短期・中期・長期?、テクニカル・ファンダメンタルズ?
- テクニカル投資法について --人間のパターン認識と心理で間違いを起こす3つの理由
- NISAの具体的な活用法 --活用が難しい税制をうまく使い切る3つの戦術
- 「株で富を築くバフェットの法則最新版 不透明なマーケットで40年以上勝ち続ける投資法」 読了 --Warrenの苦悩と凄さがリアルに分かる本
- 情報の非対称性を利用する方法 --福島瑞穂的フリーライド(タダ飯喰い)を見つけて、逆の投資法を考えてみる
- 米国市場の歴史から見る物価上昇と株価の関係 --インフレに強い資産を持つには
- 「勝ち抜け! サバイバル投資術」 読了 --ピンチを乗り切り資産10倍を目指す方法
- TPPとその価値、反対派の感情を考える --開国をするとメリットが享受できるのだが、なぜ人はそれを拒否するのか?
- ロシア売り、暴落の事例検証 --戦争等の不確実性が上がることによる資金の引き上げ
- アルゼンチンのデフォルトの検証 --国的にダメな時もあるが、投資すべきか?
- 白元倒産の経緯 --倒産に至るまでの3つのポイント、無理な事業はどこから歯車が狂うのだろう?
- 石油や金、つまり商品への投資について --投資すべき対象となりうるか?金利を産まないコモディティ投資について
- 「大暴落 1929」 読了 --暗黒の木曜日の歴史的書籍。淡々と記述される阿鼻叫喚の当時の様子
- 「国債の歴史―金利に凝縮された過去と未来」再読 --400年に渡る国債の歴史から読み取る日本の現状
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