現在は、コラムニストとしての活躍はさることながら、ラジオ出演をされており、知る人ぞ知る方となっています。
なお、婦人公論には、ジェーン・スーさん自身のコラムが更新されています。こちらもタイトルは、「これでもいいのだ」
https://fujinkoron.jp/category/janesu
■章立ては?
さてさて、当書の章立てですが、
第1章 女友達は唯一元本割れしない財産である
第2章 中年女たちよ、人生の舵を取れ
第3章 世の中には物語があふれている
第4章 大人だって傷付いている
まあ、章立ては、4章のくくりとなっていますが、内容としては多岐に渡っています。
■この本の良さ!
この書籍の良さですが、見た目はごくごく自然なエッセーなのですが、読み進めると少しずつ違いが分かってきます。
それは、テーマ性。
一般的な日常がサラッと書かれているようで、全体的に大きなテーマ性があります。
そのおぼろげなテーマ性を持ちながら、一つ一つのエッセーは数々の細かい観点をもっていて、切り口の多さが目立ちます。
■例えば
テーマ性の一つはやパリ、中年女性×悩みが中心になっていますが、それ以外にも、家族、季節、仕事(この中身も多様)などなど、生活密着のものが多くなっています。
なんとなく、清少納言の「枕草子」のような雰囲気が流れているように感じます。
例えば、「自営業者の孤独」という段では、会社員と自営業者の違いを語っていますが、その切り口をお休みのとり方と関連付けて、どういう心境の変化があったか、事業・商売の仕方がどう違うのか、などと比較をしています。
■人生的な時系列
また、自身の人生的な時系列の比較もたくさんあり、「エンターテイメントは命の糧」の段では、自身の時系列を取り入れながら、エンターテイメントの位置づけ、人生への影響力を語っています。
私自身は、本業の気象、趣味の投資を含めて、世の中・人生はカオスの系で、複雑系であると思っています。そのような未来予測不可能な中で、いくつかの観点、およびその物差しを当てて、多面的に捉えていくのが良いかなと感じています。
その物差しをできるだけたくさん当てて(本書もたくさんの観点があります)、そして、人であれば良いところの物差しをたくさん当ててあげられたら良いなと思っています。
■最後に
この本の特徴は、皆さんがごくごく日常生活で、刹那的に感じている感覚、その感覚をジェーン・スーさんの切り口、物差しで再確認できるところです。
日々に流されている事象も、いくつかの複合要因の掛け算で成り立っていて、それを一つ一つ解いていくことで、日常を楽しく、面白く、そして哀しく浮き彫りにしているのが面白いところです。
ワタクシゴトですが、2018年5月に本を出版しました。
「株は「ゲリラ豪雨」で買い、「平均気温」で儲ける!」
amzn.to/2G1VtGw
ビジネス社さんより出していただきました。
この記事のまとめ:
- 新進気鋭のコラムニスト、ジェーン・スーさんのエッセー集
- 日々の日常を、自分なりの切り口・物差しで分解してくれる良書
- 清少納言「枕草子」のような清々しさ
- 書籍のご紹介 --投資、経済、ビジネスの本 -経済学基礎から偉大な投資家まで
- ラベル 書籍 の投稿
- ピーター・リンチのカクテルパーティ理論と暴落後の出来事 --お店で目撃したカクテルパーティ理論とその後の株価調整に対する人の噂・反応について
- 上がる株ほどよく上がる、という株式投資のカラクリ --やってみるとよく分かる3つの法則
- 投資法の変遷 --失敗から学ぶ投資方法、短期・中期・長期?、テクニカル・ファンダメンタルズ?
- テクニカル投資法について --人間のパターン認識と心理で間違いを起こす3つの理由
- NISAの具体的な活用法 --活用が難しい税制をうまく使い切る3つの戦術
- 「株で富を築くバフェットの法則最新版 不透明なマーケットで40年以上勝ち続ける投資法」 読了 --Warrenの苦悩と凄さがリアルに分かる本
- 情報の非対称性を利用する方法 --福島瑞穂的フリーライド(タダ飯喰い)を見つけて、逆の投資法を考えてみる
- 米国市場の歴史から見る物価上昇と株価の関係 --インフレに強い資産を持つには
- 「勝ち抜け! サバイバル投資術」 読了 --ピンチを乗り切り資産10倍を目指す方法
- TPPとその価値、反対派の感情を考える --開国をするとメリットが享受できるのだが、なぜ人はそれを拒否するのか?
- ロシア売り、暴落の事例検証 --戦争等の不確実性が上がることによる資金の引き上げ
- アルゼンチンのデフォルトの検証 --国的にダメな時もあるが、投資すべきか?
- 白元倒産の経緯 --倒産に至るまでの3つのポイント、無理な事業はどこから歯車が狂うのだろう?
- 石油や金、つまり商品への投資について --投資すべき対象となりうるか?金利を産まないコモディティ投資について
- 「大暴落 1929」 読了 --暗黒の木曜日の歴史的書籍。淡々と記述される阿鼻叫喚の当時の様子
- 「国債の歴史―金利に凝縮された過去と未来」再読 --400年に渡る国債の歴史から読み取る日本の現状
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